チャンピオンズ ディナー

昨日このブログで、ホストをつとめる松山英樹が選んだ「チャンピオンズ ディナー」のメニューがなかなか発表されないと心配していましたが、アメリカ現地時間のディナー当日の朝になって発表されています。

https://twitter.com/TheMasters/status/1511318291695951872/photo/1

直前まで発表されなかったのには、何か事情がありそうですが、メニューを見るとだいたい想像がつきそうです。正式な発表までに反対の声が多くあったためか、あるいは反対の声をおさえるために直前まで伏せておいたかのどちらかでしょう。

アピタイザーに、さしみ、にぎり、焼き鳥

さかな料理が味噌味

宮崎和牛が、山椒、大根入りのぽん酢味

いちご(あまおう)のショートケーキ

日本人選手として、日本料理、日本の味を全面に打ち出していますが、ホストとしてパーティーに参加する歴代チャンピオンの面々が、料理のメニューを見てどう感じるかということを全く考えていません。今までアメリカ人以外の選手、たとえば南アフリカのチャール シュワツェル、オーストラリアのアダム スコットなどが優勝したときのディナーでは、ぜひ皆さんに味わってもらいたいと自国の料理を入れたことはあります。しかし、せいぜい一品が二品です。今回は日本味のてんこ盛り状態です。

まず、さしみ・にぎりが完全にアウトです。世界中日本食ブームでさしみ・すしが食べられているといっても、全体からみればマイナーなトレンドで、アメリカ人でも食べない人はいっさい食べません。ジャック ニクラウス、ゲーリー プレーヤー、トム ワトソンといったレジェンドたちが、箸をつけるとは到底思えません。

さかな料理が味噌味というのもいただけません。日本人にとっては小さいころから味噌味になじんでいるので抵抗はありませんが、海外の人には無理かもしれません。また、高級な宮崎和牛は問題ないと思いますが、ソースがポン酢(しょう油味)に山椒では、せっかくのいいお肉を堪能してもらえないかもしれません。いい食材を使って料理して「おいしい」と心から言ってもらえるために、調味料に何を使ってどう調理するか非常に大切な要素ですが、今回のメニューは味付けが日本風に偏りすぎています。

このメニューでは食べるものがないと不満を抱く歴代優勝者のために、もしわたしがオーガスタナショナルGCの関係者であれば、すべてのメニューに代わりのメニューを用意しておきます。食べるものがなくては、話も盛り上がりませんから、、、

アジア人選手として初めて「マスターズ」を優勝した松山の努力、才能は本当にすごいと思います。しかし、今後マスターズチャンピオンとしてアメリカ社会に受け入れてもらえるか、敬意を払ってもらえるような選手になれるかどうか、今回のディナーホストのようなコース以外のところでの彼の言動に大きく左右されそうな気がします。