シェフラー マスターズ優勝

マスターズは、優勝候補としてこのブログであげた3人のうちのふたり、スコッティ シェフラーとキャメロン スミスが最終組でまわって、優勝を争うという予想通りの展開となりました。まさにドヤドヤという気分です。

シェフラーは途中、メジャー初優勝のプレッシャーから崩れることなく、最終18番ホールまできました。2オンに成功して優勝を確信し、あとは2パットで難なく栄冠を手にするはずでしたが、グリーン上でさすがに緊張のため手が動かなくなったのか、なんと4パットしてしまいました。

それでも2位のローリー マキロイには3打差をつけて勝利を果たしました。マキロイは初日から3日目まで、まったく上位に顔を出すことはありませんでしたが、最終日に1イーグル、6バーディー、ノーボギーの64という、この日のベストスコアであがり2位に入ってきました。

マキロイは、最終18番ホール(パー4)の2打目をグリーンまわりのバンカーに入れましたが、そこから直接カップに入れてバーディーを奪い、グリーンを囲むパトロンたちを大いに沸かせました。その直後には同じ組で回っていたコリン モリカワも、別のバンカーから同じようにカップに入れ、パトロンはもう熱狂の渦でした。モリカワは5位に入っています。

シェフラー(25歳)は2020年から米ツアーでプレーしており、59のスコアを出したり、さまざまな大会で上位に食い込んで世界ランキングを14位まであげてきていましたが、ツアー未勝利でした。しかし、ことしの2月の「フェニックスオープン」で念願の初優勝をあげてからは怒涛の快進撃が続いています。その後出場した4試合のうちに優勝が2度、そして「マスターズ」の優勝です。

米PGAツアーという最高レベルの舞台で、短期間の間にシェフラーがみせた圧倒的な強さ(メジャーとWGCの大会を含む4勝)は、すごいとしか言いようがありません。しかし、山が大きければ、そのあとの谷も大きいといいます。冷めた目で見ると、シェフラーのこの絶好調の期間がいつまでも続くわけはなく、いつか途切れるときがきます。そのあとにきっと来るであろう谷の深さをできるだけ浅くして、また次の山を迎えることができればベストですが、それは言うほどたやすいことではありません。

シェフラーの顔立ちはとても柔和で、人のよさ、優しさがあらわれています。メジャータイトルをとると、メディアを含めて周囲は2勝目を期待します。周囲の期待に応えて結果を出しているうちはいいですが、期待に応えるような成績をあげることが難しい状況に陥ったとき、プロテニスの大阪なおみ選手やマスターズ2勝のババ ワトソンのように、心の負担が大きくなっていかないだろうか、少し心配になります。