今週の米PGAツアー「RBCヘリテージ」は2日目のプレーが終わり、歴代チャンピオンの資格で出場していた小平智は、カットラインに9打足らず予選落ち。スポンサー推薦で出場した金谷拓実も6打足らず予選落ちしました。先週「マスターズ」でディフェンディング チャンピオンとしてプレーした松山英樹は、今週を休養に充てています。
小平は昨シーズン失った米ツアーカードの再獲得、金谷は新規獲得をめざしてプレーしていますが、予選落ちではまったく次につながりません。優勝すれば文句なしに2年間のツアーカードが手に入りますが、10位以内に入れば多くの場合、次週の試合に出場することができ、さらにシーズンを通して競うフェデックスカップ ポイントを多く獲得することができます。シーズン終了時の順位が125位以内であれば、来季のツアーカードを獲得することができます。
米LPGAはハワイで「ロッテ選手権」が開催されています。アメリカ本土との時差の関係なのか、最終日が16日(土)なので日本時間の16日午前9時現在、3日目のプレーがすでにスタートしています。
予選を通過したのは渋野日向子(11位)、古江彩香(33位)、笹生優花(62位)、ハル野村(62位)の4名です。なんと、畑岡なさが予選落ちをしました。非常にめずらしいことです。あと、山口すず夏も予選落ちしました。
華々しいジュニア時代の経歴をひっさげて、米LPGAに挑戦していた山口ですが、今季はツアーカードを喪失し、この大会にはスポンサー推薦で出場しました。2日間トータル12オーバーは、出場選手144人中135位の成績です。
山口は直近10試合のすべてで予選落ちしています。特筆すべきは、この20ラウンドでアンダーパーのスコアが1つもないことです。これでは予選通過などできるわけがありません。
山口はお父さんと小さいころからずっと二人三脚でやってきました。14歳の時に「全米女子オープン」に出場し、2018年には日本人として初めて「全豪女子アマ」のタイトルをとり、将来を大いに嘱望されてきました。
しかしもっと大きく成長するためには、プロのコーチの指導がどうしても欠かせないのに、お父さんがキャディーをしながら指導し続けた。結果、米LPGAツアーで1勝をあげることができなかった。まるで石川遼とまったく同じパターンです。
才能のあるわが子を、なんとか自分の手だけで世界に通用する選手に育て上げてやるんだという強い思いでやってきて、限界に突き当ってしまう。世界レベルで通用する選手に育てる指導力、技術力が親のほうにないばかりに、こどもが潜在能力を十分に発揮できないで終わってしまう。まったくもって親の責任です。