5月4日のブログでは、12年前の同じ日に、若いローリーマキロイと石川遼がともにすばらしいスコアをたたき出して優勝したことを書きました。
https://worldgolfinformation.com/2022/05/04/
昨日5月8日(日)には、DPワールツアー(旧欧州ツアー)とアジアンツアーで、同じような境遇にあったふたりの選手が見事に優勝を果たしました。
DPワールツアーで勝ったのはデンマーク人のソブヨーン オルセン(32歳) です。彼はDPワールドツアーで5勝を挙げ注目された選手でしたが、2019年移動中の飛行機のなかで泥酔し、女性にわいせつな行為をしたとして逮捕され、ツアーより出場停止処分を受けました。その後の裁判ではアルコールと一緒に睡眠薬を服用していて当時の記憶がまったくなかったと主張して無罪が確定しましたが、マイナスのイメージを負いながらプレーを続けていました。
一方、アジアンツアーで久々の優勝を決めたのは、韓国人バイオ キム(31歳)です。かれも韓国ツアーで6勝の実績のある選手でしたが、2019年優勝争いを演じていた大会の最終日、16番ホールで彼がティーショットを打つ瞬間、ギャラリーのひとりがスマホで写真を撮りました。その音が気になって思うようなショットが打てなかったのか、直後にそのファンに向かって中指を立て怒りをあらわにし、手にしていたドライバーを地面に叩きつけてしまいました。
この行為をたいへん重くみた韓国ゴルフツアーは、キムに対して即座に3年間の出場停止処分を下しました。選手仲間からの嘆願もあり、出場停止期間はのちに1年間に短縮されましたが、プロ選手にとってはそれでも厳しい処分です。
過去に犯した過ち、それに対する周囲の非難から見事に立ち直って、同じ日に優勝を決めた東西のふたりの選手。スポーツ選手に対して、「リジリアント(resilient)」という言葉が使われることがあります。もともとは船舶用語として用いられ、船は波を受けて片側に大きくかたむいても、もとの平衡状態に戻ろうとする力を備えていることをあらわした言葉で、「復元力、回復力がある」という意味です。
まさに、”They are very resilient.” 今後のふたりの活躍をウォッチしていきたいと思います。