世界ランキングについて

先週開催された「全米プロ選手権」を制覇したジャスティン トマスは、優勝賞金270万ドル(約3億4600万円)とともに、世界ランキング算出のもととなるポイントを100点獲得し、ランキングを9位から5位に順位をあげました。

4大メジャー大会に優勝すると最高ポイントの100点を得ることができますが、通常の大会では、出場選手の中にどれだけ世界ランキング上位の選手が含まれているか(strength of field)で決まります。

たとえば、「全米プロ選手権」の前の週に開催された米ツアー「AT&Tバイロンネルソン」の優勝者に与えられたポイントは、メジャー大会の約半分にあたる52点です。その前の週におこなわれた「ウェルズファーゴ選手権」の優勝者もほぼ同じ44点稼いでいます。

日本ツアーを見てみると、今平周吾は先々週(5/12-15)開催された「ダイヤモンドカップ」と、先週(5/19-22)の「ゴルフパートナープロアマ」で2週連続優勝を果しました。今平が「ダイヤモンドカップ」優勝で獲得したポイントは15ポイント、「ゴルフパートナー」優勝で16ポイントです。

世界ランキングポイントでみると、日本ツアーで優勝することは、米ツアーで優勝することと比べて3分の1程度の価値しかないことになります。

今平はダイヤモンドカップ優勝で世界ランキングを168位から109位にあげ、ゴルフパートナー優勝で109位から83位に順位を上げました。日本ツアーであと2、3勝あげれば、世界ランキングが50位以内になって、4大メジャー大会やWGCの大会に出場する道がひらけますが、年間5勝となると非常にむずかしいと言わざるをえません。

男子ゴルフの世界ではとくに、日本ツアーで実績を積んで世界ランキングをあげ、米PGAツアーに挑戦するという今までの考え方はだんだん通用しなくなってきました。現実問題としては、いくら頑張っても手が届かない、そういう時代になったようです。

ジュニア時代から大会で優勝して頭角をあらわし、将来米ツアーでプレーすることを夢みる若い選手たちにとっては、早いうちに日本を離れてアメリカの高校、大学に進学し、より高いレベルの競争にもまれてプロになることが求められる時代になったのかもしれません。