5月17日のブログで、米PGAツアーで活躍する選手を高額な移籍金で引き抜いて、新リーグを創設しようとしているLIVゴルフ投資会社側から、ゴルフ界の大御所ジャック ニクラウスに自分たちのために動いてほしいとオファーがあり、それをニクラウスは断ったと書きました。
https://worldgolfinformation.com/2022/05/17/
しかしニクラウスは、自分の署名やゴールデンベアというブランドにかかわる一切の権利を管理している会社から、今月13日に契約内容の不履行を理由に訴訟をおこされてしまいました。
その訴状の中で明らかにされたのは、ニクラウス自身はLIVゴルフ側からのオファーに対して、断るどころか反対に積極的に交渉を進めようとしていたことが明らかにされ、周囲が強く説得し思いとどまらせたという事実です。
LIVグループの背後にいるのはサウジアラビアの国営ファンドです。反体制ジャーナリストのカショギ氏がトルコで暗殺されたときに、サウジアラビアの皇太子が関与していたことが明らかになっています。また、サウジアラビアでは国民の基本的人権が守られておらず、いまでも多くの人が裁判を受けることなく処刑されています。
そのような国のバックアップを受けた新リーグ構想に、ジャック ニクラウスが乗り気になって話をすすめようとしていたというのは、彼を尊敬するファンにとっては大変なショックです。ニクラウスがゴルフ界のナンバーワン レジェンドであるだけに、そのショックは計り知れません。
ニクラウスは現在82歳で、老いが彼の正常な判断を狂わせていると指摘するメディアもあります。裁判が継続していくと、ひとつひとつ事実関係が明らかにされていきます。ニクラウスが今まで成し遂げてきた数々の偉業に汚点がついたりしないためにも、和解というかたちでおさめることはできないだろうかと考えてしまいます。