スーパーゴルフリーグ

昨日に続き、「スーパーゴルフリーグ」に関するニュースです。

米PGAツアー、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)と対抗するかたちで、2024年から本格的に「スーパーゴルフリーグ」をスタートさせようと計画しているLIVグループは、選手獲得をめざして今シーズン世界各地で8試合を予定しており、その初戦が来月9日から11日(3日間大会)まで、イギリス ロンドン郊外のセンチュリオンクラブで開催されます。

LIVグループのトップであるグレッグ ノーマンは、大会に先立って5月11日センチュリオンクラブで記者会見を開きましたが、集まった報道陣の質問は、LIVグループンのバックにいるサウジアラビアの国営ファンドの話に集中しました。

サウジアラビアでは、国民の基本的人権が尊重されておらず、反体制派のジャーナリスト、カショギ氏がトルコで暗殺されたように、国の考えにそぐわない人間は処刑される。事実3月には81人が処刑された。このような人権侵害について国際的な批判をかわし、国のイメージが悪くなることを防ぐ目的で、国際的なスポーツイベントを利用しよう(sportswash)と「スーパーゴルフリーグ」も作られるのではないかと。

この指摘に対して、ノーマンは「誰でも過去に過ちをおかしたことがある。その過ちから学んで、それをどう正して前に進んでいくのかが重要なのではないか。」と述べていますが、西側の価値観では、基本的人権が尊重されないことはとても受け入れられないことなので、「スーパーゴルフリーグ」を創設しようとしているほうにとっては、ここを突かれることが一番こたえます。

カショギ氏の暗殺については、今年2月バイデン政権が当時の極秘資料を公開し、その中でサウジアラビアの皇太子が暗殺計画を承認したと結論づけているので事実なのでしょう。また、最近になってサウジアラビア皇太子も、「事件は私の管理下でおこなわれ、自分に責任がある。」と関与を認める発言しています。

「スーパーゴルフリーグ」構想は、それを資金面で支えているサウジアラビアという国のマイナスイメージのせいで、なかなか前に進むことができません。