米PGAツアーで活躍する選手を高額な契約金で引き抜き、高額な賞金を用意して創られようとしているLIVリーグは、米PGAツアーとDPワールドツアー(旧欧州ツアー)側の強い締め付けにあって、人気がある世界トップクラスの選手を獲得することができず、難航しています。
それでもLIVリーグ側は今年の年間8試合からなるスケジュールを発表し、その初戦(3日間大会)が6月9日からイギリスのロンドン郊外のゴルフ場で開催されます。米PGAツアーでプレーする選手は、この大会が米PGAツアー主催する「RBCカナディアン オープン」と重なるため、規則によって米ツアーへLIVリーグの試合に出場する許可申請をおこなわなくてはなりません。
名前は公表されていませんが、世界ランキング100位の選手の中で15名がこの許可申請をおこなっているとLIVリーグ側は公表しています。この申請に対して1か月前までに米PGAツアーは認めるかどうかの判断を下すことになっているので、近々この15名の氏名が明らかになります。この15名の選手がスポットとして試合に参加するのか、残りのLIVリーグの試合にも出場し、最終的にLIVリーグ側に移籍してしまうのか今後注目されます。
すでにフィル ミケルソンは申請をおこなっていることを発表していましたが、今週イギリス人のリー ウェストウッドも申請をおこなっていることを発表しています。
米PGAツアーには世界中から能力のある選手が集まり、世界最高レベルのプレーが繰りひろげられます。強ければ多額の賞金を稼ぐことができて、人気も高まりスポンサー収入も得ることができます。しかし、それが可能なのはほんの一握りの選手で、それ以外の多くの選手は、ツアーで1勝あげることができれば別ですが、そうでなければフェデックスカップランキング125位以内に入って、米ツアーカードを維持し続けることに四苦八苦しているのが実情です。
選手はひとたびツアーカードを失えば、試合に出ることができなくなって収入の道が絶たれます。悲願のメジャータイトルを獲得した選手であってもほぼ同様です。プロゴルファーは、プロ野球、プロバスケット、プロフットボールなどのようにチームと契約を結び、契約金を手にして年俸が保障されている立場とはまったく異なる個人事業主です。ある程度の実績を残し知名度のある選手が、LIVリーグに移籍を望んだとしても、それはそれで無理からぬことのように思えます。