お伝えしているように、先週ロンドン郊外で開催された「LIVゴルフ招待シリーズ」の初戦ロンドン大会に出場した米PGAツアーメンバー17名に対して、米PGAツアーは無期限の出場停止処分をおこないました。
しかし、DPワールツアー(旧欧州ツアー)のほうは、ツアーとしては出場を認めないと事前に伝えていたにもかかわらず出場したDPワールツアーメンバーに対する処分をまだおこなっていません。
DPワールドツアーメンバーで、今回の米PGAツアーから処分の対象となったのは、セルジオ ガルシア、イワン ポールター、リー ウェストウッド、マーティン カイマーといった選手です。彼らははっきり言って、すでに選手生活の最盛期を過ぎ、米PGAツアーでは勝つことが難しくなってきている選手たちです。とは言っても、DPワールドツアーにとっては実績も知名度もあり、重要な選手であることは間違いありません。
DPワールドツアーが処分するかどうか判断をする最終期限は、6月23日だと言われています。この日は「全英オープン」の前の週に開催される「スコットランド オープン(Scottish Open」の出場者が確定する日です。「スコットランド オープン」はDPワールトツアーと米PGAツアーの共催試合なので、米PGAとしては処分を下した17名については出場を絶対に認めるわけにはいきません。
今年新たに「スコットランドオープン」のタイトルスポンサーになった韓国の自動車メーカー・ジェネシスは、初回ということもあり、米ツアーメンバーだけでなく、DPワールドツアーの主要メンバーであるガルシアやウェストウッドなどが出場できなくなったら、興行的にまったく成り立たないと強くDPワールツアー側に圧力をかけているようです。
DPワールドツアーのトップであるキース ペリーは、先週の「LIVゴルフ招待シリーズ」のロンドン大会の会場に顔を見せたと報道されています。DPワールドツアー側はその報道を否定する声明を発表していますが、ただ否定するだけで法的措置をとるといった強い態度ではありません。
法の支配、基本的人権の尊重といった価値観が認められていないサウジアラビアの国営ファンドが出資する「LIVゴルフ」に対して、米PGAツアーは強い抵抗を示していますが、DPワールツアーのほうは、2019年から「サウジインターナショナル」という大会を開催してサウジアラビアとの結びつきを年々深めてきました。
DPワールドツアーが、今後米PGAツアー側につくのか、それとも独自の方向に向かいLIVゴルフを容認していくのか、重要な局面が迫ってきています。