今週の米PGAツアーは、フレーオフ3連戦の第2戦「BMW選手権」が開催され、2日目のプレーが終了しました。この大会は、先週の「セントジュード選手権」で勝ち残った70名(実際は68名)の選手によって、予選カットなしでおこなわれます。そして、この試合の結果でフェデックスカップポイント上位30名が、来週のプレーオフ最終戦「ツアー選手権」に進むことができます。
「BMW選手権」には、先週の大会を欠場した松山英樹が出場し、2日目を終わって11位タイといい位置にいますが、本当なら2打罰を科せられて23位タイになっていたかもしれないというニュースです。
2日目7番(パー4)で松山の打ったティーショットは、バンカーをわずかに越えて、バンカーに向かってやや強く傾斜するラフに止まりました。
松山はバンカーの中に入って、ボールが止まっているところから少しはなれた場所で数回練習スイングを試みました。そのあと、ラフに止まっていたボールがバンカーの中にころがり落ちてきたのです。もし、練習スイングが原因でボールがバンカーに落ちたのであれば、もとの場所に戻してプレーをしなければ2打罰となります。しかし、プレーヤー本人のせいではなく自然に落ちたのであれば、その場所から打つのがルールです。
その場にやってきたルール協議員が、練習スイングが原因でボールがバンカーに落ちたのか、傾斜の強い斜面に止まったボールを芝がささえられなくなって自然に落ちたのかを松山に何度も確認しようとしますが、そのやりとりのなかで松山はまったく言葉を発しません。競技員の言っている内容を理解しているかも不明です。ただ、何度もしぐさをするのですが、その言わんとするところは協議員には伝わりません。
同伴競技者として一緒にまわっていた世界ランキング5位のジョンラウムがみるにみかねて、松山と協議員の会話に入り、ボールが動いてバンカーに入ったのは松山が練習スイングをおこなったからではなく、芝が支えきれなったからだと協議員に説明し、納得させました。
プレーが再開され、松山はバンカーの中にころがって入ったボールをそのまま打ってグリーンにのせ、2パットのパーでこのホールを切り抜けました。もしラウムが助け舟を出さなかったら、協議員には松山が身振り手振りで主張していることが理解できないので、自らの判断で2打罰を科したかもしれません。
お伝えしているように松山にもキャメロン スミスと同様LIVゴルフへ移籍する噂が流れています。この試合で優勝し自らの価値をさらに高めてからLIVゴルフに移籍するようなことは絶対に許さないという米PGAツアーの強い意志が見え隠れしたような場面でした。
松山は2014年から米PGAツアーの試合に出ており、今シーズンが9年目となります。それなのに、プレーのなかで自分の置かれている状況、自分のボールがどうなったのかということを、英語で表現することがまったくできません。かたことの英語でも、いろいろな言い方をくり出してして、なんとか相手に理解させようとする気持ちもないようです。9年もやっていて、それもどうかと思います。
3日目以降の松山のプレーに注目です。