米PGAツアー改革の余波

米PGAツアーは最終戦「ツアー選手権」が幕を閉じ、シーズンが終了しました。とは言うものの、9月16日から始まる「フォーティネット選手権」をもって、来シーズンが早々にスタートします。

LIVゴルフからの脅威に対抗するため、来シーズンから実施される米PGAツアーの改革については、8月25日付のブログで紹介しました。

https://worldgolfinformation.com/2022/08/25/

米PGAツアーが選ぶトップ20人の選手については、年間20試合(そのうち選手が自由に選択できるのは3試合)出場することが義務付けられました。トップ選手が一堂に会することでファンやメディアの注目度がさらに高まります。

ここでひとつ問題が発生しました。米PGAツアーを主戦場としているアメリカ人の選手については問題ないのですが、欧州出身の選手の場合、「ライダーカップ」に選出されるための条件が絡んでくることです。

「ライダーカップ」は、2年に一度欧州(EU)出身のプロとアメリカ人プロがチームで対戦する歴史ある大会で、メンバーに選ばれることは選手にとって非常に名誉なこととされています。しかし、欧州出身の選手が米PGAツアーをプレーの中心に据えている場合であっても、メンバーに選出されるためには、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)の大会に最低4つ出場しなければならないという規定があります。

現在欧州出身のプロのなかでトップ20人に入っている選手はと言えば、非公開なので世界ランキングから推測するしかないのですが、北アイルランド出身のローリー マキロイ、スペインのジョン ラウム、ことしの「全英オープン」を優勝したマット フィッツパトリックの3名くらいでしょう。

ラウムは先日、年間20試合に4試合が加われば非常にきつくなる。何か対策を講じてもらえればと記者会見で話していました。

しかし、マキロイは「ツアー選手権」優勝の翌日に、DPワールドツアーの試合「イタリアン オープン(9/29-10/1」に出場することを発表しました。あまり大きな大会ではないので、マキロイは今まで一度も出場したことがない大会です。ライダーカップ出場資格を満たすための判断であることはほぼ間違いなく、批判よりもまず実行を!といったところです。

マキロイは欧州出身のプレーヤーでありながら、人気も実力も、そして影響力もナンバーワンと言って過言ではなく、米PGAツアーにとってなくてはならぬ存在です。