今週のDPワールドツアー(旧欧州ツアー)は、スコットランドで「ダンヒル選手権」が始まりました。大きい大会なのでいつもは米PGAツアーを主戦場としている、世界ランキング2位のローリー マキロイが出場しています。
彼は大会前の記者会見に臨み、LIVゴルフについてコメントしました。いままでのマキロイはLIVゴルフを強く非難する立場をとり、米PGAツアーを擁護する急先鋒の役割を担っていましたが、ゴルフの将来を見据えたのか少しトーンダウンしてきたようです。その内容の一部を紹介すると、、、(その前に現状を少し書いておきます)
現在、LIVゴルフに移った元米PGAツアーメンバーが、米PGAツアーは選手が自由に試合に出場する権利を不当に奪っているとして裁判をおこしています。お伝えしたように一部の選手はすでに原告の立場からはずれましたが、、
また、DPワールドツアーのほうでは、LIVゴルフに移籍した選手をDPワールドツアーの試合に出場させないと決定したことは無効であると選手たちから訴えをおこされ、現在はその決定が仮差し止め状態にあり、正式な裁判は来年始まります。
今は2つの裁判が進行中なので難しいが、早い時期にLIVゴルフと米PGAツアー、DPワールドツアーは話し合いの場を持つべきであるとマキロイは主張しました。今のままでは男子プロゴルフ界がずたずたになってしまうと。
これまでのマキロイは米PGAツアー支持一辺倒でしたが、ゴルフ界の将来のことを考えて考えを少し修正したようです。
マキロイはLIVゴルフの選手にも世界ランキングの算出ポイントは与えられるべきで、彼らが4つのメジャー大会に出場することには反対しないとも述べています。
その理由として、現在のようにLIVゴルフに移籍した選手にポイントが与えられない状況が続いて、仮にダスティン ジョンソンが徐々に世界ランキングの順位を落とし100位になったとする。その時の世界ランキングはすべての選手の実力を正しく反映したものと言えるのかという疑問が生じてくる。
そうは言うものの、LIVゴルフ側も世界ランキングのポイントが与えられるための条件は整えていく必要がある。その条件のひとつに、36ホールで予選カットをおこなわなければならないという規定があるが、LIVゴルフは現在それを満たしていない。また、48名の選手が個人戦、団体戦で競うが、この48名の選手がどうやって選ばれているのか現在は不透明である等々。
米PGAツアーは強硬な態度を崩しておらず、裁判でLIVゴルフ側と全面対決をする見込みです。今回マキロイの態度が軟化してきたことが、全体の流れに一石を投じることになるのかどうか注目していく必要がありそうです。