先週シカゴで開催されたLIVゴルフ招待シリーズ第5戦に出場した48名の選手はある嘆願書に署名をしました。
その嘆願書は世界ゴルフランキングを毎週更新している機関(OWGR)の会長ピーター ダーソンあてで、内容はLIVゴルフ所属の選手がいままで5試合戦った成績を過去にさかのぼり、世界ランキング算出のためのポイント加算してほしいというものです。つまり、5試合分の成績を世界ランキングに反映させてほしいと。
現在LIVゴルフに移籍した選手には、移籍時から世界ランキング算出のためのポイントが付与されていません。LIVゴルフの試合が世界ランキング算出の対象になっていないためです。そのためLIVゴルフの選手たちは今後徐々に順位を落としています。
LIVゴルフに移籍した選手は4大メジャー大会には出場したいという強い希望をもっており、世界ランキング上位にいれば出場資格が与えらます。「マスターズ」と「全英オープン」は50位以内。「全米プロ選手権」は100位以内。「全米オープン」は60位以内といった具合です。
LIVゴルフの代表グレッグ ノーマンは、7月の時点でLIVゴルフ主催の試合の結果が世界ランキングの対象となるように申請書類を提出していますが、これまでOWGRから回答が届いていません。そのため今度は、LIVゴルフ所属の選手が連名で嘆願書を提出した模様です。
この嘆願書の内容を聞き入れてもらうためのハードルは非常に高いと言えます。というのはOWGRの議決機関のメンバーには、米PGAツアーコミッショナーのジェイ モナハン、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)のCEOキース ペリーのふたりがいるからです。米PGAツアーは、LIVゴルフに加わった選手を即座に無期限の出場停止処分とし、もう二度と迎え入れることはないと明言しています。そんな敵対関係にあるモナハンが、LIVゴルフ側の申請をやすやすと認めることはまずないと考えたほうがよさそうです。
今週ノーマンはワシントンの国会議事堂を訪問し、共和党・民主党の国会議員に会ってLIVゴルフについて説明し、理解を得る予定です。議員の一部にはLIVゴルフが基本的人権を保障していないサウジアラビアの国営ファンドを資金源としていることを懸念する声があり、説得にあたります。
LIVゴルフ側は、今週の世界ランキングで3位にいるキャメロン スミス、21位にいるワッキー ニーマン、23位のダスティン ジョンソン、23位のアブラハム アンサー、29位のブルック スケプカ、31位のケビン ナーなどの選手をランキング算出から除外して作成された現行の世界ランキングは正しいものとは言えないという主張をしています。
LIVゴルフ側はまた、自分たちの試合が世界ランキング対象と認められなかった場合、LIVゴルフ独自の世界ランキングを作成するという考えももっています。しかし、その場合でも4大メジャー大会への出場資格がどうなるのかという大きな問題は残ったままですが、、、
世界ランキングをめぐる今後の動きに注目していきましょう。