先週の日本ゴルフツアー「パナソニック オープン」では、アマチュアの蝉川泰果(せみかわたいが、21歳)がアマチュアとして優勝を果しました。
アマチュア選手が日本のプロトーナメントで優勝したのは、倉本昌弘、石川遼、松山英樹、金谷拓実。そして昨年のこの大会で優勝した中島啓太に次いで6人目の快挙となります。
倉本が優勝したのは1980年、石川は2007年、松山は2011年です。金谷が優勝したのは2019年11月の「三井住友太平洋マスターズ」、中島は2021年のこの大会、そして今回の蝉川。
直近で見るとわずか3年の間に3人のアマチュアがプロの大会で優勝したことになります。どうしてこんなにアマチュアが優勝できるのか?
もちろん、ナショナルチームをはじめとしてジュニアの育成プログラムが充実し、実を結びはじめてきたことがあるのでしょうが、日本男子ゴルフの地盤沈下も明らかな理由として指摘できそうです。
米PGAツアーを見てみると、1945年以来7名の選手がアマチュアとして優勝していますが、1991年に「ノーザンテレコムオープン」をアリゾナ州立大学の学生として優勝したフィル ミケルソンが最後です。
つまり、もう31年もの間アマチュア選手が優勝していません。プロのトーナメントでアマチュアが勝つことはできない。米PGAツアーでは、それほどプロとアマチュア選手の実力の差が大きいことを示しています。
蝉川選手は今回の優勝で世界ランキングを896位から522位に上げました。しかし世界ランキング100位、メジャー大会へ出場可能となる50位には程遠い位置です。日本ツアーでのさらなる活躍を期待しましょう。