今週のLIVゴルフは、28日からシーズン最終戦が開催されます。トランプ元大統領が所有する名門コース「トランプ ナショナル ドラルGC」でおこなわれ、これまで7戦おこなわれてきたLIVゴルフの大会で、トランプ元大統領のコースが使用されるのは、これが2度目になります。
これまで7戦の賞金総額は2500万ドルでしたが、最終戦は5000万ドル(75億円、1ドル150円換算)に倍増され、4人一組のチーム戦のみで競われます。
最終戦に先立っておこなわれるプロアマ戦に出場したトランプ元大統領は、プレー後報道陣の質問に答えましたが、その中で注目すべき点が2点ありました。
米PGAツアーは、LIVゴルフの札束攻勢から有力な選手を守るためさまざまな対策を講じました。PIP(プレーヤーズ インパクト プログラム)という制度をつくり、米PGAツアーへの貢献度の高い選手(強くて人気のある選手)上位20名に総額1億ドル(150億円)を支給することを決めました。また、米PGAツアーでの待遇をよくするため、初めてツアーカードを獲得した選手やツアーに返り咲いた選手にはシーズン開始前に準備金を支給することなども決定しました。
トランプ元大統領がインタビューのなかで指摘したのは、こうした費用の大幅なアップをまかなうために、将来選手に支給される年金のために積み立てられていたお金に米PGAツアーが手をつけたことです。選手は米PGAツアーでプレーした成績と年数によって、引退後に年金が支給されますが、その金額が間違いなく減るという事実です。
もうひとつは、LIVゴルフのために自らが所有するゴルフ場を気前よく使用させているトランプさんに対して、今後彼がスコットランドに所有する「ターンベリー」がLIVゴルフの開催コースとして使用されることがあるかという報道陣からの質問に対するトランプさんの回答です。
「このことについては非常に慎重に考えている。」と回答するにとどめました。「ターンベリー」と言えば、「全英オープン」が開催されるローテーションコースのひとつで、過去に4度大会が開催されているとても格式の高いゴルフ場で、このコースを2014年にトランプさんが買収しました。
トランプさんとしては、自らのホテル・ゴルフ場運営ビジネスに関してLIVゴルフに協力できることもあれば、できないものもあるという考えでしょう。新興勢力のLIVゴルフの大会を開催するよりも、5回目の「全英オープン」開催を辛抱強く待ったほうが、ターンベリーゴルフコースの価値は数段あがります。