世界への道

日本ツアー「ダンロップ フェニックス」では、比嘉一貴選手(27歳)が最終日首位を守り切って見事な優勝を果しました。この優勝で比嘉は、世界ランキングを86位から69位にあげることになります。

ただ、世界ゴルフランキングの著名ウォッチャー氏によると、仮に比嘉選手が日本ツアーの残り2試合「カシオワールドオープン」、「JTカップ」をともに優勝したとしても、世界ランキング50位以内にはいることは難しいとのことです。世界ゴルフランキングのシステムが変更となり、日本ツアーから世界への道のりが数段けわしくなってしまいました。

もし、年内に世界ランキング50位以内に入ることができれば、来年4月の「マスターズ」からは間違いなく招待状が届きますし、その後50位以内をキープし続けることができれば、残りの3つのメジャー大会にも出場することが可能になります。

しかし、出場資格を得たからといって、メジャーにぽっと出場して優勝できるほどメジャーはやさしい大会ではありません。なのでスポット参戦ではなく、まず米PGAツアーやDPワールドツアーのツアーカードを取得して年間を通してプレーし、それを数年続けるなかでまずツアー優勝をめざす必要があるでしょう。松山英樹選手でも米PGAツアーでプレーし続けて、ようやく8シーズン目で「マスターズ」の栄冠を手にしています。

今年9月に始まった米PGAツアーの新シーズンでは、選手ひとりひとりへの待遇が改善されたこともあって、来季のツアーカードを維持できるのは、シーズン終了時にフェデックスカップポイント90位までの選手となりました。これまでは125位までの選手にツアーカードが与えられていたので、35名も少なくなってツアーカードを維持していくこともさらに難しくなりました。

ことし世界に挑戦し、足がかりがつかめなかった金谷拓実、中島啓太。新たにプロとなった蝉川泰河。来季のDPワールドツアーのツアーカードを獲得した久常涼。そして、比嘉一貴。2023年に彼ら若手が、どのように道を切り開いていくのか注目していきましょう。