スポーツイラストレイティット社電子版が選んだ20大ニュースの第14位は、アメリカ人のジェニファー カプチョ(25歳)である。
ことしの女子メジャータイトル初戦「チェブロン選手権」を優勝した選手と言えばご記憶のかたもあるだろう。「チェブロン選手権」とは昨年まで「ANAインスピレーション」という名の大会だったが、タイトルスポンサーが日本企業のANAからアメリカ石油メーカーのチェブロンにかわり、今年からこう呼ばれるようになった。優勝した選手は恒例行事として18番横の池にキャディーたちと一緒に飛び込むことになっている。
また、カプチョは2019年に「マスターズ」を開催するオーガスタナショナルGCが初めて開催した「オーガスタナショナル女子アマ」の初代チャンピオンでもある。プロになり米LPGAでプレーを始めてからの3シーズンの間は、2位に1回ずつ入っただけで優勝にはなかなか手が届かなかった。
しかし、今年4月の「シェブロン選手権」がツアー初優勝となり、そしてメジャー初タイトルとなった。その後勢いはとまらず、6月に1勝し、7月には2人のチーム戦でも優勝し、今季3勝をあげた。
米LPGAツアーは、最近外国勢の勢いが強くアメリカ人選手は押され気味だが、ネリー コーダ、レキシー トンプソンらに続く選手として大いに期待される。
ここからは余談であるが、「オーガスタ ナショナル女子アマ」の第2回目のチャンピオンは日本人選手梶谷つばさである。続いて翌週に開催される「マスターズ」では松山英樹が優勝し、当時メディアでは2人の日本人が大きく取り上げられた。
梶谷は昨年末のプロテストは不合格で、今年のプロテストでは出場者の中に本人の名前を見つけることができなかった。ツイッターでTsubasa Kajitaniを検索すると本人のツィートを読むことができるが、かなり屈折した思いがつづられている。
世界中から優秀なアマチュア選手が「オーガスタナショナル女子アマ」に招待され、競った結果、梶谷は見事栄冠を勝ち取った。これは決して運なんかではなく、まぎれもなく才能である。この才能をさらに時間をかけて磨いていけば、カプチョのようにメジャータイトルを獲得することができるかもしれないのである。本当に残念である。