ゲーリー プレーヤーが、息子に続いて孫も訴えたというニュースが流れている。
プレーヤーと言えば、南アフリカ出身のゴルフ界のレジェンドで、メジャータイトルを9つ持ち、米ツアーで通算24勝をあげた選手だ。今も「マスターズ」の開会式では、ジャック ニクラウスとトム ワトソンと共に、名誉スターター(始球式)をつとめている。現在87歳であるが、毎日の筋トレを欠かさず、今でもパープレーでラウンドをする。
プレーヤーが子供と孫を訴えた理由は、彼が長いゴルフ選手人生の中で獲得してきた多くの優勝トロフィーや記念品が競売にかけられて、見知らぬ人の手に渡っているため、その返還を求めたのである。、
昨年すでに、プレーヤーが1974年の「マスターズ」を勝ったときのトロフィーが523,483ドルで、1965年に優勝した「全米オープン」で使用したアイアンセットが17,947ドルで人の手にわたった。
プレーヤーは約20年の間息子マークをマネージャーにしており、そのときに自分の商標、肖像権、ロゴマークなどを息子が経営する会社に譲渡していた。しかし、2019年にあるトラブルから息子とのビジネス関係を断ったことで、プレーヤーが獲得したトロフィーなどの所有権が誰にあるのかはっきりしない状態で、息子と孫によって競売にかけられた。
プレーヤーの問題はどうもトロフィーなどを経済的利益にしたいという側面が強いようであるが、裁判所がどういう判断をくだすのか注目したい。
少し話がそれるが、ゴルフに限らず偉大なスポーツ選手ほど、小さいころからもらう優勝トロフィーや記念品の数はハンパないものであろう。本人が若くて元気なうちは、自分で思うように管理すればいいと思うが、老いて動けなくなったり、死んだときにその子供たちはどうすればいいのか?
なかなか思い切って捨てるわけにもいかず、かといって保管しようと思えばスペースが必要だったり、保管料がかかったりする。ならば、本人が生きているうちに、熱烈なファンに買い取ってもらい、大切に手許に置いてもらう。そして、ときどき眺めてもらう。このほうが選手にとっても、トロフィーにとってもいいことかもしれない。