スポーツイラストレイティット社の選ぶ今年のゴルフ20大ニュースの中にアメリカ人のパトリック リード(32歳、なぜか順位不明)が入った。
リードは、2018年の「マスターズ」、2つのWGCの大会を含め米PGAツアー9勝の実績をあげているベテラン選手である。
彼はことし6月にLIVゴルフへ移籍することを表明し、第2戦目のポートランド大会から出場し3位タイに入った。その後のすべての試合に出場し、優勝はしなかったものの好成績をおさめた。しかし、LIVゴルフに移籍しただけでは大きなニュースにはならず、注目されたのは8月に彼が訴訟を起こしたためである。
リードは、放送局ゴルフチャンネルとメイン コメンテータのブランデル シャンブリーを名誉棄損で訴え、7億5000万ドルの損害賠償を求めたのである。その後複数のゴルフジャーナリストに対しても名誉棄損にあたると次々に訴えをおこした。
しかし、リードはこれまでつっこみどころ満載のゴルフ人生を送ってきており、法外な要求金額の名誉棄損が裁判所に認められるかどうか、はなはだ疑問である。
大学生のころから、スコアを過少申告したり、ラフに打ち込んだときたまたま見つけたほかのボールを打ってプレーを続けたりと同僚選手には評判のよくない選手だった。プロになってからも同伴競技者から問題視されるプレーは続き、極めつけは以下のビデオである。
2019年タイガーがホストをつとめる「ヒーロー チャレンジ」3日目の出来事である。パー5の11番ホールで、リードの打ったディーショットはフェアウェーに沿ったウエストランド(バンカーではない)に入ってしまった。バンカーではないので、クラブのソールを地面につけることは問題ないが、リードは2度にわたって巧妙にボール手前の砂をクラブで取り除いている。当然ライを改善したという理由で2打罰を受けたが、プロの大会でこんな行為に及ぶことじたいどうかしている。
このような行動をゴルフ番組で痛烈に批判されたのだが、本人としては「自分の評価をおとしめられ、(ファンの間に)自分に対する嫌悪感を生み、競技をおこなうことが難しい環境が作り出され、名声とこれまでの偉業を傷つけられた(訴状より)」と受け取ったようである。
「身から出たさび」と一言で片づけられてしまいそうなことだが、来年には判決が予想されるので、このブログではしっかりウォッチしていく。