ミト ペレイラ LIVゴルフへ移籍

LIVゴルフに関する動きは、「全英オープン」を制したキャメロン スミスが昨年8月に移籍したあとは、グレッグ ノーマンがコミッショナーを解任されるという情報が流れたり(のちに誤報と判明)、LIVゴルフの幹部が辞任したニュースはありましたが、選手の移動に関しては一段落していました。

2023年になって、米PGAでプレーするチリ人のミト ペレイラ(27歳)がLIVゴルフに移籍すると報道されています。ペレイラは米PGAツアーではまだ未勝利ですが、下部のコーンフェリーツアーでは3勝をあげています。東京オリンピックでもチリ代表として活躍し、ローリーマキロイ、松山らとともに銅メダルをかけて3位決定戦に臨みましたが、惜しくも敗れています。

ゴルフダイジェストのサイトより

ペレイラが大きく注目されたのは、昨年のメジャー大会「全米プロ選手権」のときです。最終日18番ホールのティーンググランドへ、1打差リードの首位で立ったものの、優勝へのプレシャーからティーショットを、右に大きく曲げ池に入れてしまいました。この最終ホールでダブルボギーを叩いてしまい、メジャータイトルを逃してしまいました(3位タイ)。

最近の試合でも好成績を残しており、昨年10月の米PGAツアー「シュライナーズ チルドレンオープン」では4位タイ、CJカップでは18位タイ、日本ツアーの「ダンロップ フェニックス」で、比嘉に次ぐ2位に入っています。

ペレイラは現在世界ランキング44位で、すでに今年の「マスターズ」への出場が決まっています。おそらく高額な契約金を提示してペレイラを説得したのでしょうが、LIVゴルフの狙いは、キャメロン スミス、ダスティン ジョンソン、ブルックス ケプカなどとともに、マスターズ優勝かそれに準ずる成績をあげてくれることです。

LIVゴルフの大会には、現在世界ランキング算出のもとになるポイントが付与されません。また、近い将来ポイントが付与される見込みもたっていません。

その理由は、3日間トーナメントであることではなく、予選カットがないということです。LIVゴルフは個人戦とともに4人がチームとして戦う団体戦も同時に競われるので、予選カットを導入すると、団体戦が成立しなくなってしまい、LIVゴルフのひとつの「売り」がなくなってしまいます。

LIVゴルフに所属する選手が、もし「マスターズ」をはじめとする4大メジャー大会で優勝することができれば、メジャー大会で優勝した選手を除外したままの世界ランキングって果たして正しいものなの?という批判が生まれてきます。この批判を増長させて、LIVゴルフが開催する試合を世界ランキングの対象とする。これがLIVゴルフの狙いです。