今週のアジアンツアーは、2日からサウジアラビアで「サウジ インターナショナル」が開催される。「サウジ インターナショナル」は、もともとDPワールドツアー(旧欧州ツアー)のひとつで、2019年から始まった大会である。米PGAツアーで活躍する選手に対して、賞金とは別に、億単位の高額な出場料をダスティン ションソン、フィル ミケルソンらの選手に支払って、大会を盛り上げていった。
「サウジ インターナショナル」は、LIVゴルフを財源的に支援しているサウジアラビアの国営ファンドと深いつながりのある大会だ。そのファンドが昨年LIVゴルフを創設したため、「サウジインターナショナル」はDPワールドツアーからの離脱を迫られた。
「サウジインターナショナル」は行き場を失ったが、サウジの国営ファンドが「アジアンツアー」そのものを買い取って、そのスケジュールに旗艦大会として組み込むという大きな動きをおこなった。今回がアジアンツアーの大会として初めての開催となる。
そのため、LIVゴルフ所属の選手がこぞって出場する。メジャー大会優勝をねらうキャメロン スミス、ダスティン ションソン、ブルックス ケプカたちにとっては、4月の「マスターズ」までに出場できる数少ない大会のひとつとなる。
また、この「サウジ インターナショナル」はアジアンツアーのひとつの大会なので、世界ランキング対象ツアーの試合として、出場した選手にランキングポイントが与えられる。LIVゴルフの選手としては世界ランキングを下げないためにも、上位入賞を狙いたい。
日本人選手としてエントリーしているのは、アジアンツアーメンバーの池村寛世(いけむらともよ)、世界ランキング200位内という資格で、稲盛佑貴、金谷拓実、木下稜介、岩田寛。
そして、なんと「LIVゴルフの推薦枠」という資格で、谷原秀人と香妻陣一郎の2名が出場を予定している。このふたりはLIVゴルフの第1回大会から出場していたが、途中48名枠からはずされ、日本ツアーに戻ってきた。現在米PGAツアーから出場停止処分をうけ、いずれDPワールドツアーからも締め出しを受ける身である。
ふたりがどういうつもりで出場するのか不明であるが、LIVゴルフから推薦をうけて出場するということは、まだLIVゴルフとの関係を保っているのかと周囲に思われてしまう。香妻はまだ28歳なので、海外の試合に出て経験を積みたい、強くなりたい、実績をあげたいという気持ちがあっても理解できないことはない。
しかし、谷原はすでに44歳である。プレーできるのなら場所を選ばない。世界のトップクラスの選手と戦って強くなりたいという気持ちだけで行動していい年齢なのだろうか?もっと大人の判断ができないのであろうか?とても残念である。