昨年6月にLIVゴルフの第1回大会がロンドンで開催され、この大会に出場したツアーメンバーの選手に対して、DPワールドツアーは許可していない競合する大会に出場したとして、自らが主催する大会への出場停止処分と10万ドルの罰金を科した。
これを不服としたイワン ポールター選手らは、スポーツ調停裁判所にこの処分の無効を訴えた。この訴えに対してスポーツ調停裁判所は処分延期の判断を下したため、LIVに移籍した選手も現在はDPワールドツアーの大会に出場できる状況が続いている。
だが、いよいよスポーツ調停裁判所での審理が2月6日より始まった。選手たちの訴えは、プロゴルファーは野球やサッカーのようにチームと契約をして年俸が保証されているわけではなく、個人事業主としてプレーしているのだからツアーに束縛されることなく、プレーしたいときに、プレーしたい場所でプレーする権利があるというものである。
スポーツ調停裁判所は3人の裁判官によって審理され、数週間で判決がでる見込みだ。もしどちらかが決定に不服だった場合は、上告というシステムはなく、正式な裁判所に場所を移して争うことになる。
この争いは、DPワールドツアーとそのツアーメンバーの間のもので、アメリカで米PGAツアーとLIVゴルフがお互いを訴え合っている裁判とはまったく別のものである。
ゴルフに限ったことではなく、個人のアスリートとして、競合するスポーツ団体が主催する競技会のいずれにも自由に出場できる権利が選手に認められるのかどうか、判決に大きな関心が集まっている。