米PGAツアー「プレーヤーズ選手権」が終わった。優勝したスコッティー シェフラー(26歳)は、世界ランキング2位から1位へ3試合ぶりに返り咲いた。
「プレーヤーズ選手権」は米PGAツアーが開催する試合の中で1番大きな大会で、ことしから米PGAツアーが、LIVゴルフに対抗するために導入した「格上げ大会」のひとつであり、大会賞金総額、優勝賞金が増額された。また、フェデックスカップ ポイント上位の選手には出場義務も課せられているので、上位の選手はこぞって出場した。
しかし、世界ランキング1位だったジョン ラウムは体調不良のため途中棄権。3位だったローリー マキロイは予選落ちした。なので、トップ3が最終日バックナインで優勝争いを繰り広げることはなく、スコッティー シェフラーが独走する展開となり、少し盛り上がりに欠けた。
さらに、米PGAツアーが主催する大会なので、昨年のこの大会の覇者キャメロン スミスをはじめ、ダスティン ジョンソン、ブルックス ケプカ、アブラハム アンサーといったLIVゴルフへ移籍した選手の出場は認められなかった。
これまで「プレーヤーズ選手権」は第5のメジャー大会と称され、4大メジャー大会に次ぐ権威のある大会とされ、いずれメジャーに昇格するのではないかと言われてきたが、米PGAツアーがこれからもLIVゴルフ選手を排除する姿勢を貫く限り、昇格はあり得ないだろう。
今年開催される4つのメジャー大会は、すべてLIVゴルフ移籍組に門戸を開き、出場資格を有する選手はプレーが可能となった。メジャー大会にはこの「開放性」があるのに対して、米PGAツアーが主催する「プレーヤーズ選手権」は、LIVゴルフを排除したままだ。このような状況では、すべてのゴルファーやゴルフファンより敬意が払われる「メジャー」にはなり得ないであろうという論理である。
米PGAツアーは、4大メジャー大会などを除き、来シーズンから格上げした大会に出場できる選手の数を70~78名に絞り、予選カットをなくすことにした。また、来季のツアーカードを獲得できる選手の数を、これまでの125名から70名に大きく絞った。
この大幅な変更は、一握りのエリート選手を厚遇しすぎて、中堅どころ以下の選手にとってはゴルフで生計が成り立たなくなってしまう可能性があり、大きな反響を呼んでいる。今後の動きをウォッチしていく。