世界中のゴルフルールを主管するUSGAとR&Aが14日に声明を発表した。
これまで数十年にわたって飛距離がどんどん伸びてきたゴルフボールに対して、2026年1月から新しい規制をかけるというものである。
現在、120mph(120マイル/時)のヘッドスピード、42回転/秒のスピン量、10度の打ち出し角度でボールを飛ばして、飛距離がころがりを含め317から320ヤードであるボールが適合とされている。この測定条件をそれぞれ、127mph、37回転/秒、11度に変更する。この変更によって男子プロのレベルで14-15ヤード飛距離が抑えられることになる。
USGAとR&Aは主催する試合で2026年1月より実施するが、米PGAツアー、アメリカPGA、オーガスタナショナルGCなどの組織については、この変更を受け入れるかどうか各組織に判断がゆだねられる。
この変更はトップレベルの競技会のみに適用され、週末ゴルファーなど娯楽としてゴルフを楽しむ人が使用するボールはまったく対象外である。
これまで何度もボールが飛びすぎることが問題となってきた。
- ティーショットを打つ際、コース上に戦略的に配置されているハザードを楽々飛び越えていく選手が多くなり、コースが簡単に攻められてしまう。
- 上記の問題を解決するため、ティーグランドを後ろに移動させる改修工事に費用がかかる。スペース的に改修工事ができないコースは時代遅れのコースとなってしまう。
- コースが長くなるとその分、水まき、修理などのメインテナンスに費用がかかる。
- コースを新しくつくる場合、飛距離に合わせて用地買収をする必要があり、従来よりも広い土地を購入しなくてはならない。費用が多くかかり、メンテ費用も大きくなる。
USGAとR&Aは、この「いたちごっこ」ような悪循環を断つために、そしてゴルフを将来にわたって持続可能なスポーツとして発展させるため、プロ選手とハイレベルのアマチュアが使用するボールだけを規制しようとしている。
SDG‘s運動の流れにも沿った動きで、判断を委ねられた各組織も追随することが予想される。