米PGAツアーは、今シーズンから13の大会を格上げして、トップ選手に出場義務を課し、大会賞金総額、優勝賞金を大幅に増額した。昨年創設されたLIVゴルフの脅威に対抗する措置である。
格上げされた大会はこれまでに、1月の「セントリー トーナメント」、2月の「フェニックス オープン」、「ジェネシス招待」が開催され、今週開催される「アーノルドパーマー招待」もそのひとつである。
13の大会のうちまだ3つしかおこなわれておらず、その成果が十分に検証される間もなく、この格上げ大会について来シーズンに変更がおこなわれることが決定した。
格上げ大会では、通常150名前後であるフィールド(出場者数)が70―78名に絞られ、予選カットも実施されないことになった。ただし、13の格上げ大会に含まれる4つのメジャー大会と「プレーヤーズ選手権」、「フェデクスカップ プレーオフ」はその対象から除かれる。
そうなると、トップ選手の域には届かない中堅どころの選手やこれから成長が期待される若手選手にとっては、出場できる試合数が大幅に減少してしまい、収入を得る機会が失われたり実績を出す機会が少なくなったりする問題が生じる。この点に関しては救済策が講じられるようだ。
スケジュールは基本的に格上げ大会が2回続いたら、そのあとの3試合は通常の大会となり、その後に2試合格上げの大会が開催されるように組まれる。通常3試合のなかで多くのフェデックスポイントを稼いだ選手は、次に続く格上げ2試合に出場できるようにしたり、通常の試合で優勝した選手は、そのシーズンの格上げ大会すべてに出場できるようになる。
これまで年間を通して競うフェデックスカップポイントの上位125位までの選手に対して、翌シーズンのツアーカードが与えられていたが、今シーズンから上位70名のみと大幅に絞り込まれることが決まっている。
LIVゴルフの出現によって米PGAツアーは大きな改革を断行する。この改革が今後のプロゴルフ界にどう影響していくのか注視していく必要がありそうだ。