マスターズ初日を終わって

今年最初のメジャー大会「マスターズ」の初日が終了した。

7アンダーで首位に立ったのは、スペインのジョン ラウム(28歳)とノルウェーのビクター ホブランド(25歳)、アメリカ人ブルックス ケプカ(32歳)の3人。

ラウムは現在世界ランキング3位で優勝候補のひとり。2021年の「全米オープン」に次ぐ、2つめのメジャータイトルをめざす。

ホブランドは昨年の「全英オープン」で最終日を首位タイでスタートしたが、2オーバーのスコアで4位タイに終わってしまった。これがメジャー大会で優勝争いに加わった初めての経験だった。これまでDPワールドツアーで2勝、米ツアーで3勝をあげているが、米ツアーの優勝はメキシコだったり、プエルトリコだったりして、まだアメリカ本土で開催された大会での優勝経験がない。

なので、アメリカの本土で、しかもオーガスタナショナルGCというアメリカのゴルフの中心地で優勝を決めることができるか?むずかしいと思う。もうすこし米ツアーで優勝経験を積む必要がありそうだ。ただ、ホブランドはオクラホマ州立大学の学生のとき(2018年)「全米アマ」のタイトルをとった逸材で、今後間違いなく活躍する選手である。

ケプカは、昨年LIVゴルフに移籍した。先週行われたLIVゴルフの大会で優勝しており、調子はいいのだろう。2017、18年に「全米オープン」を連覇し、18年、19年には「全米プロ選手権」を2年連続優勝し、すでにメジャータイトルを4つ持っている選手だ。もしケプカが優勝すると、LIVゴルフと米PGAツアーの勢力図が大きく変化するかもしれない。

4位タイには、キャメロン ヤング(25歳)とジェイソン デイ(35歳)が並んだ。ヤングは昨年のメジャー大会で2度も優勝争いを演じたが、米ツアー未勝利の選手である。米ツアー未勝利で、いきなり「マスターズ」のタイトル獲得はあり得ないので、優勝は確率ゼロと言ってもいいだろう。まずは米ツアー1勝してからだ。

デイの今シーズンのめざましい復調についてはこのブログでも書いてきた。かつて世界ナンバー1に君臨したが、母の死や背中の怪我のために順位を174位まで落とした。どん底を経験した選手の強さをどの程度見せてくれるか、あと3日間のプレーが楽しみである。

特別招待選手としてこのマスターズに出場した比嘉一貴は4オーバーで73位タイと大きく出遅れた。なんとか予選通過を果し、昨年度日本ツアーの賞金王のメンツを保ってほしいと思う。やはり日本ツアーってその程度のものなのか、と世界に思われたくない。

もうひとり日本から出場した松山英樹は1アンダーで26位タイとまずまずの位置につけている。のこり3日間に期待したい。