ケプカにペナルティー?

マスターズの2日目は悪天候のため全選手がホールアウトできずにサスペンディッドとなってしまった。これまでに降った雨と強風のためか、プレー中にコース内の松の大木が突然倒れたりして波乱の一日だった。

初日7アンダーのスコアで首位タイに立ったブルックス ケプカは、2日目のスタート時間が早かったため、5アンダー67のスコアでホールアウトした。ケプカは12アンダー、暫定で単独首位の位置にいる。

そのケプカに、初日のプレーのなかでルール違反の疑いが浮上してきた。15番ホール(パー5)の第2打目地点で、彼のキャディーが、一緒に回ったいたゲーリー ウッドランドのキャディーに、ケプカが使用したクラブの番手を教えたのではないかというものである。選手は自分のキャディーから助言を受けることができるが、それ以外の人から受けることはできない。受ければペナルティーが科せされる。

2日目の試合後、ルールオフィシャルは初日のプレーについてケプカとウッドランドから事情を聴いたのち、ルールに違反する行為はなかったと正式に発表した。しかし、この一件を聞いて過去のあるルール違反を想起した人は、筆者だけではないような気がする。

それは、昨年8月米ツアーのプレーオフシリーズ第1戦「セントジュード選手権」でのことである。この大会に出場していたキャメロン スミスは、その前の月に開催された「全英オープン」に優勝して、その直後からLIVゴルフへの移籍がうわさされていた。

スミスはこの大会の最終日を首位と2打差の好位置からスタートしようとしていたが、スタート直前に前日のラウンドの中でルール違反があったことが判明したとして2打罰を科せられてしまった。

4番ホールのグリーン左横にある池に打ち込んだあとで、ボールをプレースした場所がペナルティーエリアを示すラインにかかっていたという理由で、誤所からのプレーとして2打罰を科せられてしまったのだ。そのことを最終日の試合直前に知らされて、スミスは動揺し、結局13位タイの成績に終わってしまった。

スミスに対するペナルティーについては、LIVに移籍する選手には優勝してほしくないという強い意志で、選手に合法的にゆさぶりをかける米PGAツアーの思惑が感じられる措置であった。

今回もLIVゴルフに移籍したブルックス ケプカには、優勝してほしくないという気持ちが米PGAツアーに働いて、動揺を与えるため試合後ケプカに事情聴取をおこなったのではないかと、、、

あと2日間のプレーが残っているのでなんとも言えないが、もし仮にケプカが優勝できなかったなら、今回のことが多少影響を与えたのかもしれないし、優勝したならかえってケプカを燃え上がらせてしまう結果になったということだろう。いづれにしても大会後半のプレーから目が離せない。