先週おこなわれた「マスターズ」の余韻がまださめやらぬなか、今週の米PGAツアーは「RBCヘリテージ」がサウスキャロライナ州の「ハーバータウン ゴルフリンクス」で開催される。18番グリーンの奥に立っている赤白のストライプに塗られた灯台が有名なコースである。
著名なコース設計者ピート ダイが、ジャック ニクラウスの助力を得て、1969年にヒルトンヘッド島に完成させた。全長7191ヤード、パー71のコースは、両側に繁る大木の枝がフェアウェーまでせり出して、場所によっては枝がスタイミーとなって、アプローチショットで直接ピンが狙えないホールがある。そのため、飛距離がでるビッグヒッターよりも、コントロールショットを得意とするボールストライカー向きのコースと言われている。
例年は「マスターズ」直後のトーナメントなので、トッププロのほとんどが休養に充てて出場しない大会だったが、今年は事情が大きく異なる。米PGAツアーが今シーズンから導入した13の「格上げ大会」のひとつに指定されているため、優勝したジョン ラウムのほかスコッティー シェフラー、ビクター ホブランド、エグザンダー シャフレ、コリンモリカワなど多くのトッププロが出場を予定している。
トッププロには、昨年の米ツアーの実績、貢献度に応じてプレーヤー インパクト プログラム(PIP)によって多額のボーナスが支給されることになっている。LIVゴルフに有力な選手を引き抜かれないよう米PGAが2年前から導入したプログラムであるが、支払いは分割払いとなっていてまだ全額は支払われておらず、13の大会のうち2つ以上欠場した選手に対しては、最終支払いの際にペナルティーとして減額されることになっている。
先週の「マスターズ」で無念の予選落ちをしたローリー マキロイは、今週の「RBCヘリテージ」を欠場することを発表した。理由は明らかにされていないが、予選落ちからくる精神的肉体的疲労と推測されている。
ある意味でマキロイの欠場が注目されている。というのは、今回のマキロイの欠場が格上げ大会に指定された大会において2回目となり、ボーナスの減額対象となることである。マキロイは今年最初の大会である「セントリートーナメント」を欠場している。かれは昨年の実績でPIPから1200万ドル受け取ることが発表されているが、この金額がどの程度減額されるのか話題に上がっている。
メジャー大会の翌週の試合。メジャー優勝のためにあらゆる準備をして臨んだトッププロ達。疲労がたまってプレーに集中することがむずかしいかもしれない。ひょっとすると、今週は「マスターズ」に出場がかなわなかった選手がトロフィーを手にするかもしれない。