今週の米PGAツアーは、メキシコでナショナルオープン「メキシコ オープン」が開催される。
この大会は、今季から米PGAツアーが導入した「格上げ大会」ではなく、またアメリカ国外で開催されるため、世界ランキング上位の選手はほとんど出場しない。そんな中、世界ランキング1位のジョン ラウムは出場する。ラウムは昨年のこの大会で優勝しており、ディフェンディング チャンピオンとして、連覇を目指す。
ラウム以外に世界ランキング50位以内の選手としては、16位にいるトニー フィーナウが出場するのみで、フィーナウは昨年の大会で優勝したラウムに1打差の2位タイに入っているので、相性のいい大会として出場を決めたと思われる。
しかし、ラウムの連覇の確率は非常に高そうだ。彼は先月の「マスターズ」で優勝し、世界ランキング3位から1位に返り咲いた。ことしになってからマスターズまでに3勝をあげており、優勝すれば今季5勝目となる。ラウムのゴルフキャリアの絶頂期(プライムタイム)が始まった感がある。
また、メキシコはスペイン語を話す国なので、スペイン人のラウムにとってはホームグラウンドのような気持ちになれるだろうし、多くのギャラリーがマスターズチャンピオンのラウムを応援するので、ラウムにとってはますます有利になる。
一方、フィーナウのほうは今季10試合に出場し、トップ10入りがわずかに2回。直近の5試合では一度もトップ15位に入っていないので、調子はやや下降気味である。相性のいいコースで何か回復のきっかけをつかみたいという気持ちもあるのかもしれない。
この試合には、優先順位のかなり低いツアーカードをもつ小平智が出場するが、厳しい戦いになりそうだ。というのは、距離が非常に長いコースで、米PGAツアーの平均的飛距離の選手でも、パー4のコースで2打目が200ヤード以上残るホールがいくつかある。飛距離のない小平にとっては厳しいコースセッティングである。
今週の「メキシコ オープン」は、ラウムが世界ランキング1位の選手として、マスターズチャンピオンとして、どれくらい圧倒的な勝ち方をするのか、ここが唯一の見どころとなりそうである。