今週の日本男子ツアーは、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)の大会が初めて日本にやってくる。日本ツアーとの共催で「ISPS HANDA 欧州・日本どっちか勝つかトーナメント」が茨城県で開催される。
米PGAツアーは、2019年から日本ツアーと共催で「ZOZO選手権」を日本で開催し始めたが、DPワールドツアーもそれにならったかたちだ。
しかし、大きな問題は来日する選手のなかに、日本でよく知られている選手がほとんどいないことである。リー ウェストウッド、イワン ポールター、2010年の「全米オープン」チャンピオンのグラン マクダエルといったベテランプレーヤーは、昨年LIVゴルフに移籍してしまったし、欧州出身のジョン ラウム(スペイン)、ローリー マキロイ(北アイルランド)、マット フィッツパトリック(イングランド)、ビクター ホブランド(スウェーデン)など若手の世界トッププレーヤーは、米PGAツアーを主戦場としているため、今回はやってこない。
そこで日本での知名度(特に年配の人に対して)が高いことを理由に駆り出されたと思われるのが、南アフリカ出身のアーニー エルス(52歳)とデンマークのトーマス ビヨーン(52歳)のふたりだ。エルスはメジャータイトル4つ持ち、米PGAツアーで19勝あげた。ビヨーンはDPワールドツアーで通算15勝し、日本の「ダンロップ フェニックス」でも2度優勝している選手だ。
なので、ゴルフファンが「あの選手をじかに見てみたい。ゴルフ場であの選手のスイングを直接見てみたい。」と思う選手を見つけることがむずかしいため、ギャラリー動員数が通常の日本ツアーの試合に比べて、どの程度増えるのか興味深い。
しかし、出場する日本人選手にとってはまたとない好機である。もし優勝すれば、優先度の高いDPワールドツアーのツアーカードを手にすることができる。さらにDPワールドツアーで実績を積めば、米PGAツアーやメジャー大会に出場する道もひらけてくる。
また、もし優勝すれば、それは1983年に青木功が「パナソニック ヨーロッパ オープン」で優勝して以来、DPワールドツアーで優勝した2人目の日本人という、30年ぶりの快挙となる。
日本人選手の奮闘に期待したい。