2018年から米PGAツアーでプレーする韓国人選手サムジェイ イム(25歳)は、米ツアーで試合を休まない選手、シーズン中に休暇をとらない選手として有名である。
これまで米ツアーでは2020年に1勝、2021年に1勝をあげ、今シーズンも17試合に出て、トップ10が7回、トップ25入り12回の成績をあげている。予選落ちはわずかに1回と安定した強さをみせて、現在世界ランキングがアジア人選手のなかで最高位の18位である(ちなみに松山は24位)また、イムは松山英樹のあとアジア人としてメジャータイトルにもっとも近い選手と言われている。
休まない選手の面目躍如となったのは、先々週開催された米ツアー「ウェルズ ファーゴ選手権」に出場して8位タイの成績で終えたあと、韓国に飛び韓国ツアーの大会に出場して見事に優勝し、とんぼ帰りでアメリカに戻ってきて、今週の今季メジャー第2戦「全米プロ選手権」に出場することである。
昨年も同様のスケジュールをたてて、韓国の試合に出場し、次の週の「全米プロ選手権」に出場しようとしたが、韓国の試合の直前にコロナ感染が判明して大会に出られなくなり、またコロナによる渡航制限によってアメリカに戻ることもできず、「全米プロ」に出場することができなかった。
イムは、2020年の「マスターズ」では優勝争いを演じて2位タイになっているが、「全米プロ選手権」にはこれまで4度出場して、予選落ちが2回、あとは17位タイ、42位タイの成績で少々分が悪い大会だ。
しかし、韓国出身の選手には数年にわたる兵役の義務が課せられていて、もしメジャータイトルを獲得すれば、顕著な活躍として兵役を免除される可能性がある。そうなればプレーを中断することなく続けることができ、もっと優勝を重ねられるかもしれない。このインセンティブは韓国選手にとっては非常に大きいものである。 サムジェイ イム選手が、「全米プロ選手権」でどんなプレーをみせてくれるか楽しみである