今週の米ツアーは、オハイオ州ダブリンで「メモリアル トーナメント」が開催される。この大会はジャック ニクラウスがホストをつとめ、彼が設計した「ミュアフィールド ビリッジコース」でおこなわれる「格上げ大会」のひとつである。
この大会は、今年から始まった「格上げ大会」に指定される前から、米ツアーの他の大会より1段上の大会という位置づけだった。出場者数を少なくおさえて、賞金総額は大きくし、優勝者には通常の2年より長い、3年間のツアーカードが与えられていた。この位置づけの大会はほかに、「ジェネシス インビテーショナル」と「アーノルド パーマー招待」がある。
この格上げ大会について、米PGAツアーコミッショナーのジェイ モナハンは、来年から出場者数をさらに50~60名位に絞り、大会賞金総額を大幅アップさせ、しかも予選カットをなくす方向に動いている。
しかし、「メモリアル トーナメント」のホストであるジャック ニクラウスと「ジェネシスインビテーショナル」のホストであるタイガー ウッズは、ジェイ モナハンのこの動きに反対の立場を表明しており、現在米ツアーと交渉を続けていると話している。
ニクラウスが反対している理由は、「大会に出場する選手が少なるなると、お金を払って会場に足を運んだギャラリーの人たちが、直接見ることができる選手の数が少なくなる。選手が多ければ、広いコース内で多くの時間をかけてお気に入りの選手のプレーを楽しむことができる。」
ウッズは、「予選カットというものは、悪いプレーをした選手に対するペナルティーのようなもので、ゴルフ競技には必要だと考える。緊張感をもってプレーする意味でも、予選カットはなくてはならない。」という考えである。
交渉が今後どうなっていくのか? 来年のタイガーの大会、ニクラウスの大会で予選カットがおこなわれるのかどうか、注目していきたい。