飛距離をおさえたボール導入

世界中でプレーされるゴルフの規則を所管するR&AとUSGAが、今年3月に発表したボールの規制については、3月15日のブログで紹介した。

https://worldgolfinformation.com/2023/03/15/

プロ競技とトップアマチュア競技においては、2026年1月から飛距離を抑えたボールの使用がローカルルールとして義務づけられるというものである。

今週米ツアー「メモリアル トーナメント」が開催される会場で大会前、米PGAツアーでプレーする16名の選手によって構成される選手諮問委員会に対して、R&AとUSGAが説明会をおこなった。

ローリー マキロイは、早くからボールの飛距離をおさえていこうというR&AとUSGAの動きに対して賛成の態度を表明していたが、この説明会に出席した選手からは否定的な意見が多く出された。

ものごとが新技術によってどんどん発達しているなかで、時間を逆回転させるような判断であるとか、飛距離が大幅に伸びたといってもルールを変更するほどの伸びとは言えないといった意見だ。

また、規制の根拠とされるボールの飛距離を測定する際に、ヘッドスピードを127マイル/時に設定してあるが、このスピードはあまりに高速すぎる。トップ選手のみに照準をあわせていないか?現在クラブヘッドスピードで米PGAツアー1位の選手は、キャメロン チャンプで、平均126.47マイル/時であるといった、技術的な問題も指摘された。

まだ、米PGAツアーをはじめ、DPワールドツアー、南アフリカツアーなどは、このルールに従うかどうか決定していないが、R&Aが主催する「全英オープン」とUSGAが主催する「全米オープン」では、2026年から導入が決まっている。

しかし、4つのメジャー大会のうち、2つの大会で飛ばないボールを使用しなければならな

いことになると、選手にとっては調整がたいへんむずかしくなってしまう。

今後、米PGAツアーがどう判断するか、DPワールドツアーがどうするか?「マスターズ」を主催するオーガスタナショナルGCは? 「全米プロ選手権」を主催するアメリカプロゴルフ協会はどうする?

今後各組織がどういう決定をくだすのか見守っていきたい。