フィル ミケルソン窮地

フィル ミケルソン(53歳)がギャンブル依存症であることは有名な話で、これまでいろいろなところで書かれてきたが、今回メガトン級の話が浮上してきた。

ミケルソンは、1991年アリゾナ州立大学の学生のときにアマチュアとして米PGAツアーで優勝した。それ以降現在にいたるまで米PGAツアーでアマチュア選手の優勝はない。ミケルソンはその後ツアー通算45勝をあげ、メジャータイトルを6つ獲得した。そのうちのひとつが「全米プロ選手権」で、2021年の大会に50歳で優勝し、メジャー優勝最年長記録を打ち立てた。

ミケルソンについて、彼とつきあいがあったビリー ウォルターズというギャンブラーがこんど出版する本の中で、「ミケルソンは自分が出場しているライダーカップの試合に賭けようとした。」と暴露している。その内容によると、

ミケルソンは、2012年開催された第39回ライダーカップの会場であるメダイナカントリークラブから、ウォルターズへ電話をかけて、自分がメンバーのひとりであるアメリカチームの勝利に40万ドルをかけたいと伝えた。

ウォルターズはわが耳を疑い、「フィル、お前狂ったのか?大リーグ選手ピート ローズのことを覚えていないのか?自分が監督をつとめる球団にお金を賭けて、野球界から永久追放となった選手のことを!自分はその片棒をかつぐ気にはなれないね。」と言った。

するとミケルソンは、「わかった。わかった。」と答え、賭けるのを断念した。しかし、彼が自分以外の賭け屋にこの話を持ち込んだかどうかわからないと。

歴史と伝統があるライダーカップに出場することは、選手として大変名誉なこととされている。ふだんは自分のためにプレーする選手が、このときだけ無報酬で(といっても必要経費分以上の支給はあるが)国や地域を代表して戦う。来月イタリアのローマで第44回ライダーカップが開催される予定である。

尊いライダーカップを賭けの対象としようとしたことで、ミケルソンに対する非難の声が各方面からあがってきている。