今年6月に、米PGAツアー&DPワールドツアーが、これまで激しく敵対してきたLIVゴルフと新たな組織を一緒につくり、男子ゴルフツアーを共同で運営していく。また、お互いがお互いを訴えていた訴訟を取り下げると発表したときは、ゴルフ界を大きく揺るがせた。
https://worldgolfinformation.com/2023/06/07/
今年中に枠組みを明らかにして、2025年から実施すると発表していたが、どうも3者の話し合いがうまくいっていないようだ。当初は財政面をLIVゴルフの出資者であるサウジアラビアの国営ファンドが面倒をみて、トーナメントの運営自体はこれまで実績がある米PGAツアー、DPワールドツアーがおこなうことになっていた。
しかし、サウジアラビアの国営ファンドが出資するのは、国際的スポーツの世界で自国の存在感を高めたり、国内で基本的人権が十分に保障されていないという国際的批判をかわす(sportswash)ことが理由とされ、多額のお金を出資するからにはそのリターン(配当)も当然期待している。また、サウジ側は個人戦ではなく、サッカーのように世界中の都市をフランチャイズとしたチーム形式のゴルフ大会の開催を強く志向している。
そのためなかなか大筋合意に至らず、米PGAツアーやDPワールドツアーは新たな出資者を求め、著名なスポーツプロモーターなどにコンタクトを取り始めたと報道されている。
また、もしかりに米PGAツアーがサウジから資金を受け入れることになれば、アメリカ政府は自国の利益がそこなわれることがないか慎重に調査・審査をおこなうことが予想され、その対応に多くの時間と労力が必要となる。
どうも年内に新しいツアーの構想の発表がおこなわれるかどうか、あやしい雲行きとなってきた。