ライダーカップの期間中、出場選手に報酬がないのはおかしいと抗議の意味で、帽子をかぶらずにプレーを続けたアメリカチームのパトリック キャントレーについては先日書いた。
https://worldgolfinformation.com/2023/10/03/
どうして帽子をかぶらないことが、無償でプレーすることに対する抗議となるのか。そのことをBBCのウェブサイトがアメリカ人記者の話として紹介している。
ライダーカップの初日、1番ティーグランドに立ったキャントレーに対して、その場にいた記者がなぜ帽子をかぶらないのかと聞くと、キャントレーは「あの男のようにここにいることで報酬を得ることができるのであれば、帽子をかぶるよ。」と、ライダーカップ主催者の役員を指指して言ったのが発端だった。
この大会で働いている人は、ボランティアを除きすべての人が時給なり月給で報酬を得ている。得ていないのは、大会の主役である選手とキャプテン、副キャプテンだけである。これは絶対におかしいし、納得できないというのが、キャントレーの主張のようだ。
今年が44回目の大会となった「ライダーカップ」の精神は、お金などの見返りを求めずに、国(アメリカ)あるいは欧州という地域のために戦う、そのために全力を尽くす。その姿は美しく、純粋である。ここに本当のスポーツマンシップの神髄があり、多くのファンが魅了される。
以上の精神がこれまで伝統とともに受け継がれてきたが、昨年はLIVゴルフが創設され、それに張り合うように米PGAツアーの大会も賞金総額が大幅に増額された。トップ選手にとっては高額な賞金を獲得する機会が増えている昨今、無償で大会に出場するというのはどうも納得がいかないというところか。
これまで「ライダーカップ」に報酬をと声を上げたのは、パトリック キャントレーが初めての選手ではない。1999年の大会でマーク オメーラとディビッド デュバルがタイガーウッズと一緒に同様の発言をしたが、大きく取り上げられることはなかった。
あれから20数年たった今、ふたたび持ち出された問題。ゴルフを取り巻く環境も大きく変化し、人々の意識も当時とは変わってきている。ライダーカップ出場選手の報酬問題が実現に向けて動いていくのかどうか注視していきたい。
最後に、昨日のブログで書いたマット フィッツパトリックだが、個人として優勝を決め、お母さんと組んだチーム戦でも見事優勝を飾った。
ゴルフチャンネルのサイトより