ライダーカップ余話

「ライダーカップ」は欧州チームが大差で勝利をおさめたが、大会期間中に敗れたアメリカチームのほうには、いくつか問題が発生していた。そのことがアメリカチームの結束を乱し、負けてしまった訳ではないのだろうが、、、

今回が2回目の出場となった世界ランキング5位のパトリック キャントレー(31歳)だが、ライダーカップに出場することに対して報酬が支払われるべきだと主張した。

2年に1度開催される「ライダーカップ」は今年の大会が44回を数え、歴史と伝統のある欧州男子プロとアメリカの男子プロによる対抗戦で、数々の名場面が今も語り継がれている。

地域・国を代表して対戦することはとても名誉なことで、ライダーカップのメンバーに選出されること、またその選手たちをまとめキャプテンとして戦うことは、各選手の目標のひとつとなっている。お金のためではなく、地域・国の名を背負って戦うのである。

そのため基本的には無償で出場するが、アメリカチームの場合試合後に各選手が指定する慈善団体に165,000ポンド(約3000万円)が振り込まれる。

このようなこれまでの歴史の流れについて、キャントレーはまっこうから異を唱えたかたちだ。また、彼は抗議の意志をあらわすため、大会用に支給されたキャップをかぶらずにプレーをおこなった。

本人は否定したが、ライダーカップに無償で出場するのはおかしいと発言したことが、メディアを通してコースに観戦にきているギャラリーに伝わり、最終日キャントレーは非難の嵐のなかでのプレーを強いられた。

DPワールドツアーと米PGAツアーが共催する「ライダーカップ」の放映権料、スポンサーの出資分、3日間の観客入場料の合計は、4億4500万ポンド(約805億円)と推定されている。この中から主役である12人の選手、キャプテン、副キャプテンに報酬を支払うべきだ。他のプロスポーツをみてもそれが時代の流れだと書いているメディアもある。

2年後の大会で選手への報酬がどう扱われるか注目である。