タイガーとマキロイによる新リーグ

米PGAツアーとDPワールドツアーは、LIVゴルフを財政的にバックアップしているサウジアラビアの国営投資ファンドと一緒に、新しいツアーを創設する話し合いを続けているが、なかなか合意に至らないようだ。

LIVゴルフ関連とは異なる、まったく別の新しいリーグ戦が来年からスタートし、初戦は1月9日に始まる。TMRWゴルフリーグといい、タイガーウッズとローリーマキロイがこれまで主導してきた。新リーグがどんなかたちでおこなわれるのか、その詳細が31日(火)に発表された。

まず、TMRWリーグに名を連ねた24名は以下の選手で、6つのチームに分かれる。

タイガー ウッズ、ローリー マキロイ、ジョン ラウム、コリン モリカワ、ジャスティン トマス、マット フィッツパトリック、シェーン ロウリー、ジャスティン ローズ、アダム スコット、エグザンダー シャフレ、マックス ホーマ、テリル ハットン、トミー フリートウッド、リッキー ファウラー、トム キム、ビリー ホーシェル、キーガン ブラッドリー、キャメロン ヤング、サヒース ティーガラ、ミンウー リー、パトリック キャントレー、ケビン キスナー、ウィンダム クラーク、ルーカス グラバー。

地域性、多様性を考慮した人選だが、各選手は試合中マイクを装着してプレーすることや、チーム内のコミュニケーションを考えて、英語を母国語並みに話す選手が選ばれているようだ。入っていてもおかしくなさそうな韓国のサムジェイ イムや松山英樹の名が見られないのはそれが理由だろう。また、トップスター選手のなかでは、スコッティ シェフラー、ジョーダン スピースらの名前もない。

1シーズン15マッチ(試合)をプレーする。試合はすべてフロリダ州パームビーチガーデンに新設される大型スクリーンつきのスタジアムでおこなわれる。

1マッチは15ホール制でおこなわれ、4人のうち3人が出場する。15ホールのうち9ホールは3人の選手が交互にボールを打つ形式で、少ないストロークで上がったほうのチームがポイントを得る。残り6ホールは、3人の選手が1対1の対戦で2ホールずつ対戦する。

グリーンは、下に多数のアクチュエータがついていてアンジュレーションを各ホールの設定に変更しておこなう。ショットは芝の上から打つが打球は大型スクリーン上に再現されるシミレーター方式である。

シーズン終了時には、6チームのうち上位4チームが進出するプレーオフ戦も予定されている。

LIVゴルフが主張してきたのもチーム戦で、TMRWゴルフリーグもチーム戦のかたちをとる。これまでゴルフのスタイルというのは、ひとりの選手が4日間かけて72ホールをプレーする。まず大事なことは2日目のあとの予選カットをクリアーすること。そして3日目はできるだけ優勝が狙える位置まで順位をあげ、最終日のバックナインで優勝争いに残り、あわよくば優勝するというものであった。

しかしゴルフをいうスポーツを、観る側に立ってエンターテインメント(娯楽)のひとつとして見た場合、4日間はあまりにも長すぎる。タイパ(タイムパフォーマンス)や応援の仕方の点では、一日でさっと勝敗がきまり、お気に入りのチームを応援できるスタイルのほうが、今の時代には合っているのかもしれない。