現地時間の14日、米PGAツアーのコミッショナー、ジェイ モナハンは米ツアーのメンバーに対してメールを送付し、サウジアラビアの国営投資ファンドと共同でつくる新しいツアーのかたちについて進めている交渉の進捗状況を報告した。
米PGAツアーとDPワールドツアー(旧名欧州ツアー)が、ずっと敵対関係にあったサウジの国営ファンドと一緒になって、新しいツアーを創設すると今年6月に突然発表したとき、今年の年末までにはどんなツアーになるか発表するとコメントしていた。
巷間伝えられるところでは交渉は暗礁に乗り上げているようだが、メールのなかでコミッショナーは、交渉は確実に前進していると述べている。
これまで米PGAツアーは非営利組織として運営されていたが、新しいツアーは営利組織として運営されること。また、新しいツアーの株式をツアーメンバーである選手が所有することができ、これは他のプロスポーツ界にはない斬新な運営方法になると書いている。
しかし、サウジアラビアの資本がアメリカの企業に投下されることに対して、国益に反しないかどうかアメリカ上院が調査を開始しており、政府の対米外国資本投資委員会も安全保障上問題がないか審査に乗り出す可能性がある。さらに司法省も反トラスト法に違反することがないか審査を継続している。
そのため米PGAツアーは、サウジアラビア資本受け入れを回避するため、アメリカ国内でプロ野球球団やプロサッカーチームをもつ企業や個人などに出資を依頼したようだが、断ったり断られたりで合意には至っていない。
2024年の米PGAツアーとDPワールドツアーのスケジュールはすでに決まっているが、2025年から始まる新しいツアーがどんなかたちになるのか、五里霧中状態である。