先週おこなわれた日本男子ゴルフツアー「ダンロップ フェニックス」では、22歳のアマチュア杉浦悠太が栄冠をつかんだ。アマチュア選手が日本男子ツアーで優勝したのは、杉浦で7人目となる。
これまでの7人をみてみると
倉本昌弘 1980年 中四国オープン
石川遼 2007年 マンシングウェアオープン
松山英樹 2011年 三井住友VISA太平洋マスターズ
金谷拓実 2019年 三井住友VISA太平洋マスターズ
中島啓太 2021年 パナソニックオープン
蝉川泰果 2022年 パナソニックオープン、日本オープン
杉浦悠太 2023年 ダンロップフェニックス
過去5年間をみると4人のアマチュアが優勝している。ナショナルチームなど若手の育成プログラムが充実してきたこと、メンタルも含めてトレーニングの方法が向上してきたことなどがアマチュア選手の優勝の理由としてあげられようが、それにしてもほぼ毎年というは異常である。
DPツアー(旧名欧州ツアー)では、2009年にシェーン ロウリーがアマチュアとして3人目にツアー優勝をしたのが最後だ。それから14年経過している。
米PGAツアーでは、アマチュアとして優勝した選手はこれまで7名いる。最後にアマチュアとして優勝したのはフィル ミケルソンで、1991年に「ノーザンテレコムオープン」に勝っている。その後32年間もアマチュア選手の優勝がないので、一番レベルの高い米PGAツアーではもうアマチュアは勝てないというのが、なかば常識である。
米PGAツアー、DPワールドツアーの状況をみると、日本ツアーに挑戦する若い選手の力がぐんぐん伸びてきたというよりは、日本ツアーのレベルがだんだん落ちてきていると言うほうが正しそうだ。
日本ツアーのレベルの低下を反映し、昨年8月に世界ランキングの算出方法が改定された。その結果日本ツアーの大会に出場して獲得できるポイントは大幅に少なくなり、日本でいくら頑張っても世界への道がまったく開けなくなった。
たとえば、先週の米ツアー「RSMクラシック」の優勝者に与えられるポイントが37.33に対し、「フェニックスオープン」の勝者が獲得するポイントはわずか9.97だ。世界ランキングの視点でみると優勝の価値は約4分の1でしかないことになる。
今の日本男子ツアーの現状であれば、今後もほぼ毎年のようにアマチュア選手が優勝する姿が見られるかもしれない。