今年1年間DPワールドツアー(旧名 欧州ツアー)でプレーした久常涼(21歳)に新人王(Rookie of the year)のタイトルが贈られた。日本人がこの賞を受賞するのは初めてのことである。
PGA TOURサイトより
久常は昨年末のDPワールドツアーのQスクールで7位に入り、今シーズンのツアーカードを獲得した。初戦となる「全豪プロ選手権」で早くも2位に入るなど、実力を発揮してシーズンを通して8回のトップ10入りを果たした。
その中でも特筆すべきは、9月の「フランスオープン」での優勝。青木功が1983年に「パナソニック欧州オープン」で優勝して以来、DPワールドツアーで日本人選手として2人目、40年ぶりの快挙となった。
余談となるが、久常の優勝を松山英樹以来3人目と報道しているメディアもあるが、松山が優勝した「マスターズ」が、米PGAツアーとDPワールドツアー共催の大会のため、松山に米ツアー1勝と同時にDPワールドツアー1勝がカウントされているだけで、松山がDPワールドツアー単独の試合に優勝した実績があるわけではない。
久常は今シーズン29試合に出場し、獲得した賞金は144万ユーロ(約2億3330万円、 1ユーロ162円換算)で、現在日本ツアー賞金獲得1位の中島啓太の1億7250万円を上まわる。
久常は、来年よりDPワールドツアーより数段レベルが高い米PGAツアーに挑戦する。21歳という若さで、たった1シーズンDPワールドツアーでプレーしただけで、米PGAツアーでプレーできる機会をつかんだことは、彼の実力もさることながら、本当に幸運なことである。来年はこの運を最大限に生かしてほしいと願う。