米PGAツアーは、今年の「PIP(Player Impact Program)」受賞者を決定し、ツアーメンバーに対してメールで通知した。2年前から導入されたこのプログラムは今年で3回目となり、米ツアーへの貢献度の高い選手上位20名に総額1億ドル(約150億円)もの大金が支給されるというものだ。
これまでは2度ともタイガー ウッズが最高額を受け取っていたが、今年はローリー マキロイが1500万ドルでトップとなり、タイガーは1200万ドルで2位となった。3位は900万ドルでジョン ラウム、4位はジョーダン スピースの750万ドル、5位はスコッティ シェフラーで600万ドルを手にした。
以上の5名の選手で総額の約半分を占めるが、6位以下の選手は以下の通り。
6位 リッキー ファウラー 7位 ビクター ホブランド
8位 ジャスティン トマス 9位 トミー フリートウッド
10位 マックス ホーマ 11位 エグザンダー シャフレ
12位 ジェイソン デイ 13位 トニー フィーナウ
14位 コリン モリカワ 15位 マット フィッツパトリック
16位 ウィンダム クラーク 17位 キャメロン ヤング
18位 ジャスティン ローズ 19位 パトリック キャントレー
20位 ブライアン ハーマン
このメールを受け取った米ツアーメンバーのひとりネイト ラシリー(40歳)がSNSに抗議の投稿をした。ラシリーはこれまで米ツアー1勝の実績があり、昨シーズンの成績は32試合に出場し、トップ10には3度入り、約170万ドル余りの賞金を稼いだ。
投稿の内容は、「どれだけのゴルフファンが、米ツアーのPIP制度について本当に知っているのだろうか? この1億ドルが正しく使われていると思うかどうか、ゴルフファンに聞いてみたい。米PGAツアーには150~200名のメンバーがいるのに、20名の選手に1億ドルが支払われている。少しおかしくないか。米PGAツアーには今新しいリーダーシップが必要だ。PIPは20名以外のツアーメンバーにとっては顔を蹴られるような大きな衝撃(ショック)である。」
米ツアーで活躍する一握りのトップ選手とファンに特別人気のある選手だけが厚遇され、残りの多くのツアーメンバーは恩恵がなく、かやの外におかれている。ラシリーはその不満を正直にSNSに投稿した。米PGAツアーのトップであるコミッショナー、ジェイ モナハンの退陣も求めている。
さすがにここまで書くと、何か不利なことが自分の身にふりかかってきそうで本当にこわいと思う。しかし、多くのツアーメンバーが感じていることで、誰かが声に出して発言しなければ、米ツアーの経営陣には伝わらない。そんな思いから発信したと推測されるが、その勇気には敬意を表したい。