米PGA 今後どうなる?

米PGAツアーは、LIVゴルフの背後にいるサウジアラビアの国営ファンドと、2025年から共同でスタートする新しいツアーについて現在協議している。両者は12月31日までに概要を明らかにするとしていたが、交渉は難航し発表が延期されるかもしれないという情報も流れている。

そんな中で、新たな動きがあると報道するウェブサイトがあるので紹介する。それは、米PGAツアーとDPワールドツアーが、LIVゴルフ以外の団体と組んでさらに別のツアーを創るかもしれないというものだ。

LIVゴルフとの交渉が難航している理由には、アメリカ国内のビジネスにサウジアラビア資本が入ってくることに対して、アメリカ政府が国益が損なわれないかと警戒感を示していること、アメリカ国内には9.11のテロ攻撃以来アラブの国に対する不信感が根強いこと、そして、ひとりひとりの基本的人権を最大限尊重するアメリカとしては、国内で裁判も開かずに人を死刑にしたり、同性愛者を認めずに死刑するサウジアラビアが、スポーツを使って自国への国際的批判をかわそうとしていることが容認できないというスタンスである。

そこで浮上してきたのが、国際的にスポーツビジネスを展開するアメリカ系企業や個人と組んでさらに別のツアーを創るという動きらしい。イングランドのサッカーチーム、アメリカ大リーグの球団、カナダのホッケーチームなどのプロチームを複数所有している企業が出資して、新ツアーを運営するというものだ。彼らにはプロスポーツビジネスを運営してきた豊富な経験と実績がある。

どうなるか予断を許さない状況だがひとつ明らかなことは、ゴルフというスポーツを個人どうしが戦う現在の試合形式ではなく、どこかの都市に拠点をおいてチームとして戦う団体戦のかたちに変更されそうだということである。推移を見守りたい。