本日(18日)付の日本経済新聞朝刊のスポーツ面に、先週の米PGAツアー「ソニーオープン」に出場した蝉川泰果(23歳)のインタビュー記事が掲載された。日経新聞のウェブサイトでもメールアドレス入力のみで読むことが可能。
今年の目標として、海外ツアーで1勝あげることをあげた。海外ツアーとは、具体的には米PGAツアー、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)、アジアンツアーを指すが、昨シーズンは日本ツアーをメインに、スポットで海外の試合に挑戦し、試合経験を積んだので、順当な目標のように思われる。
しかし、インタビューのなかで、「自分の夢は海外の4大メジャー制覇。」とも述べているが、この点に関しては、いささかゴルフウォッチャーとしてはひっかかってしまう。
1月12日のブログでも書いたが、これまで4つのメジャー大会に優勝し「キャリアグランドスラム」を達成したのは、ベン ホーガン、ジーン サラゼン、ゲーリー プレーヤー、ジャック ニクラウス、タイガー ウッズのわずか5名のレジェンドだけである。
https://worldgolfinformation.com/2024/01/12/
この5人の選手に並びたいという夢はあまりに大きすぎる。これまでにこの5人の選手しか成しえていないという事実を踏まえずに、夢は大きなほうがいい、大きな夢を持って進むほうが大きく成長するに違いない程度の軽い気持ちから発言しているように思えてならない。
日本人選手として米PGAツアーでNO.1の実績をあげているのは、言うまでもなく松山英樹選手である。これまで「マスターズ」優勝を含めツアー8勝している。まず、松山選手の実績を踏まえた上で、あとに続く選手は自らの夢を設定すべきではないか。
蝉川はアマチュアとして日本オープンを含む2勝をあげ、松山のアマチュア時代の実績を超えているという人もいるかもしれないが、そもそも日本男子ゴルフツアーの実力がどんどん低下してきている。今後は毎年のようにアマチュア選手がツアー優勝を飾るような時代になってくるだろう。
日本に生まれ、ジュニア時代からゴルフを続け、日本の大学を卒業し、22~23歳になって本格的に海外のツアーに挑戦する。このような環境で育ってきた若い選手としては、「米ツアーで最低1勝をあげたい。数年間かけて何勝か勝ち星を重ねることができたなら、メジャータイトルを1つぜひ獲りたい。」
もし、これを大きく超える夢を掲げるとしたら、それは夢とは言わず妄想のたぐいと言っていいのではないだろうか。