米PGAツアー プロスポーツ事業者より資金提供うける

米PGAツアーは31日、今後パートナーとして組むSSG(Strategic Sports Group)から30億ドル(4380億円, 1ドル146円換算)の出資をうけ、新たにつくるPGAエンタープライズという営利企業に投入すると発表した。米PGAツアーはこれまで非営利組織として活動してきていたが、今後は傘下におくPGAエンタープライズがツアー運営をするかたちだ。

米PGAツアーは、LIVゴルフを立ち上げたサウジアラビアのPIF(国営ファンド)と2025年から新ツアーをつくり運営していくことで昨年6月に合意していたが、こちらのほうは現在も継続して話し合いを続けている。

しかし、交渉が長引いて合意目標期日が先送りされた。またアメリカ政府もサウジアラビアの資金が国内に入ってくることに対して安全保障上の観点から問題視しており、かなり解決に時間がかかりそうな状況だ。

米PGAツアーに新たに出資するSSGには、プロスポーツビジネスに関わってきた企業と個人が複数含まれ、主だったメンバーにはメジャーリーグ ボストンレッドソックスやプロホッケーチーム ピッツバーグペンギン、イギリスサッカーリーグ リバプールなどを所有するフェンウェースポーツグループがいて、プロバスケットのボストンセルティクスを所有する事業家のような個人も何人かいる。

プロ野球、プロホッケー、プロバスケット、プロサッカーなどを運営してきた、言わばプロスポーツ経営のプロフェッショナルたちが、米PGAツアーを資金面でサポートしてくれることは米PGAツアーにとっては非常に心強い。

そうは言っても、上記の野球、ホッケー、バスケット、サッカーはすべて団体競技で、ゴルフのような個人競技を扱っているわけではない。

個人として競技するプロ選手をどのようにサポートし、ビジネスとして成り立たせて利益を出すのか?現在のように1試合に150名あまりの選手が出場し、優勝を競うかたちではなかなか難しいかもしれない。やはり、チームをつくり選手を所属させ、チームとして勝敗を競うスタイルにする。これが今後の流れなのかもしれない。