米PGAツアーの迷走

昨年6月、米PGAツアーは激しく敵対していたLIVゴルフを財政的に支えるサウジアラビアの国営ファンドと一緒になって、新たなツアーをつくることで合意した。その具体的な内容については昨年末までに発表されることになっていたが、交渉が難航しいまだに発表されていない。

今年になって、別の動きとして米PGAツアーは、プロ野球などのプロスポーツチームを所有・運営する企業、個人からなるSSGというグループから多額の出資を受け入れることを発表した。併せて、LIVゴルフ側と継続して交渉を続けていくことも表明した。

https://worldgolfinformation.com/2024/02/01/

現在、アメリカ議会上院が米PGAツアーとLIVゴルフ側の提携問題について委員会で調査中で、LIVゴルフをクライアントとするマッキンゼーやボストンコンサルティングGなど著名なコンサルタント会社の役員が証人として呼ばれたが、証言を拒否している。

その理由は、サウジ国内で法人や個人が訴訟をおこされていて、もし委員会に協力してLIVゴルフに関して証言をおこなえば、最大10年の懲役に服さなくてはならないと脅されているためだという。

このような状況では委員会の審議が円滑に進むとは考えにくく、米PGAツアーとLIVゴルフの提携がアメリカ政府によって早い時期に認められることは非常に難しそうである。

米PGAツアーの迷走はまだまだ続く。