今週のDPワールドツアー(旧欧州男子ツアー)は、インドのニューデリーで「インディアンオープン」が開催されている。初日首位に立った中島啓太(23歳)が首位をゆずることなく、2日目も首位、そして3日目を終えて2位の選手に4打リードし、最終日を迎えることになった。
初日に首位に立つと、2日目にスコアが伸びないことが多いが、中島は初日の7アンダーに続き2日目も7アンダーを記録し、気負いを感じさせないプレーだった。3日目も6バーディー、2ボギーの4アンダーのスコアでホールアウトし、あす1日にDPワールドツアー初優勝をかける。
昨年の日本ツアーの賞金ランキング1位となって、今シーズンのDPワールドツアーカードを与えられた。これまでに5試合戦って4位タイがベストの成績で、それ以外は29位タイ、33位タイ、そして2回予選落ちしている。
最終日のプレーを前にメディアのインタビューに答えていたが、しっかりとした受け答えだった。しっかりとしたという意味は、英語のグラマーを踏まえゆっくりと、はっきりと回答しているという意味である。
日本人選手が海外の生活のなかで体で英語を学んだ場合、ペラペラとスピードをもって話そうとして、you know, kind of, something like ~などの会話をなめらかに進めるための潤滑油的語句を多用しすぎてしまい、聞いているほうにとっては結局何がいいたのかまったく理解できないことが多い。その点、中島選手のコメントは相手に伝わりやすい。
もうひとつ感心したことは、中島選手はインタビューの中で、質問の内容が理解できなかったとき「もう1度質問を繰り返してください。」とはっきりと聞き返していた。十分理解していなくても理解したようなふりをして進めていくことが多いが、理解できなかったときはっきり意思表示することにはたいへんな勇気がいる。中島選手はそれを持ち合わせているということなので、今後英語力の上達が見込まれる。
また、海外の著名なゴルフウォッチャー氏は、中島選手の目について「相手を貫き通すようなするどい眼光」とコメントしている。中島選手の最終日のプレーに注目である。