偉大なゴルファーの息子

マスターズが終了し、5月には今季2つめのメジャー大会「全米プロ選手権」がおこなわれる。そして6月に入ると13日から「全米オープン」が、ノースキャロライナ州パインハーストの2番コースで開催される。

その「全米オープン」の一次予選がアメリカ各地で始まった。フロリダでおこなわれた大会には、タイガーウッズの息子チャーリー(15歳)が出場したが、9オーバー81のスコアで二次予選に進出することができなかった。ダブルボギー3つ、ボギー4つ、バーディー1つという内容。

同じ予選会に、米ツアーで第5のメジャーと称される「プレーヤーズ選手権」優勝を含む9勝をあげているマット クーチャー(45歳)の息子キャメロンも出場したが、82のスコア(6ボギー、2ダブルボギー)で2次へ進むことはできなかった。

お父さんがプロの世界で活躍する姿を小さい頃から見つづけて、尊敬し自分もそうなりたいとプロを目指す子供はたくさんいる。お父さんとしても、自分の息子が自分と同じ職業を選んでくれることは、この上ない幸せに違いない。

しかし、プロとして活躍した選手の息子が同じ世界で活躍し実績を残すケースはほとんどない。アーノルド パーマー、ジャック ニクラウス、ゲーリー プレーヤーしかりだ。お父さんが偉大な選手であればあるほど、息子が乗り越えなくてはならない壁は高くなる。

父の豊かな才能を受け継いでいるのだから、成功できないはずはないという考えかたもあるが、その息子には父の遺伝子のほかに、おかあさんの遺伝子も半分受け継がれている。父の遺伝子を100%受け継げは、才能はそのまま引き継がれるのかもしれないが、そんなことはあり得ない。

本人がどうしてもプロゴルファーになりたいという強い気持ちをもって、必死に努力を重ねている姿をみて、親から引導を渡すことはとてもできない。しかし、ゴルフは実力がはっきりと結果としてあらわれる世界だ。

下部ツアーでプレーする資格を得ることができるのか、米PGAツアーのカードを手にすることができるのか、そして米ツアーで1勝あげることができるのか?親として、ある時点で冷静に判断し、別の進路を示してやることが大切になってくるかもしれない。