今週の米PGAツアーは、ルイジアナ州で「チューリッヒ クラシック」がおこなわれる。この大会は選手が2人1組となってチームで競う唯一の公式大会で、コース内にはときどき大きなワニが出没して選手を驚かせることで知られている。
マスターズとRBCヘリテージで2週連続優勝を果たしたスコッティ シェフラーは出場していない。休養が理由だろうが、もうすぐ第一子が生まれるので奥さんと一緒に自宅で臨戦態勢と思われる。
ローリー マキロイは、同郷のシェーン ロウリイと組んで出場する。マキロイはバレロテキサスオープン、マスターズ、RBCヘリテージに続いて4週連続の出場となり、かなり疲労がたまっていそうだ。
優勝候補チームとして注目されているのは、エグザンダー シャフレとパトリック キャントレーの組だ。シャフレが世界ランキング6位で、キャントレーは8位。2年前の大会では2人が組んで優勝しており、昨年も4位タイに入っている。ふたりの相性、コースとの相性がとてもいい。
チームで競うので優勝したときの賞金や特典がどうなるのか非常に気になるところだが、賞金は通常の大会の1位と2位の賞金を足して2で割った金額がひとり当たりの賞金となる。同様に2位のチームは3位と4位の賞金総額の半分が選手ひとりの取り分となる。ちなみに今回優勝すると128万ドルを各自が受け取ることになる。
特典として、優勝すると2人とも今後2年間のツアーカードが与えられ、来月開催される「全米プロ選手権」と今後の格上げ大会(signature event)のすべてに出場する資格が与えられる。また、ふたりの選手とも記録上米ツアーで1勝したとカウントされるが、世界ランキング算出ポイントは付与されない。
米PGAツアーで1勝をあげることは非常に困難なことだ。優勝がかかる最終日バックナインでのプレッシャーは相当なもので、これをひとりで耐え抜いてプレーするよりも、となりに仲間がいてふたりで戦うことができればたいへん心強い。ふたりで戦っているとふたりの力以上のものが発揮され、栄冠に手が届くかもしれない。
チーム戦とは言え優勝すれば個人に与えられる特典が大きいので、各選手ともひそかに闘志を燃やしている。