今週の米PGAツアーでは、ツアーメンバーの中でも成績上位者のみが出場可能で、高額賞金が用意され、そして予選カットがない格上げ大会(signature event)「ウェルズファーゴ選手権」が始まった。
この大会に出場予定だった松山英樹が背中の不調を理由に、天候によって大幅に遅れたスタート時間の直前になって棄権したことが波紋を呼んでいる。
というのは、最近米PGAツアーはブックメーカーと提携して選手を対象とした賭けを実施している。世界ランキング6位のラドビグ アバーグのように、この大会の数日前に棄権を発表するのであれば問題がないが、スタート時間の直前になって棄権した場合、松山が関係する馬券はすでに発売されており、購入したファンはお金をどぶに捨てたも同然となる。
松山は今年2月の格上げ大会「ジェネシス招待」に優勝し、その後も好調を続けている。4月の「マスターズ」でも有力候補にあげられ、この大会でも優勝を十分狙えると判断されていただけに、開始直後に紙きれとなった馬券も多数に及んだはずだ。
推測されるのは、松山の棄権はこの大会よりも来週に控えている今季メジャー第2戦「全米プロ選手権」のほうを優先させた結果なのだろう。松山としては今の好調さが続くうちにメジャータイトル2つめをなんとか手にしたい。そういう気持ちが強かったのではないか?
しかし、賭けに参加するファンのほうとしてみれば、通常の大会は約150名に出場するが、今回は70名が出場する大会なので、予想がしやすくなる。松山には批判の声が直接届くだろう。ふつうならファンの皆さんに迷惑をかけたと少ししょげかえるところだが、空気をまったく読まない松山のことなので、来週のメジャーでどんな結果をだすか興味深い。
なお、今週の大会に6試合連続優勝の大記録がかかる米LPGAのネリーコーダは、初日を終えて首位と6打差の3アンダー、17位タイをまずまずのスタートである。